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先日,卒業式が行われた。毎年卒業式の後,SSCでは祝賀会が行われる。卒業した先輩方が一人ずつ「SSCで過ごした思い出」についてお話された。それを聞いていた私は,ふと「もう2年が過ぎたのか。」と,時の流れの速さを実感した。SSCでは3回生前期から研究室配属されテーマを決め,実際に研究を行うことになる。この2年間で「得たもの」を基に,実際に自分の頭と手で研究をしていく時がきたのだ。「私がSSCで過ごした2年間とは,どのようなものだったのだろう。」と思い返してみた。
私が高校2年生の終わりに近づいた頃,学部に所属しない珍しい名前のコースを発見した。調べていくうちに珍しいのは名前だけではないことが分かった。「ここで勉強したい。」自然とこみ上げてきた。これが私のSSCとの出会いである。
それから2年が経った。入学前でも2年経った今でも思う事は,SSCは様々な意味で恵まれているということである。「オーストラリア研修旅行」もそのうちの一つに挙げられる。約一ヵ月間,オーストラリア・ケアンズでホームステイをしながら語学学校に通う。そこでの日々は今でも鮮明に思い出せるほど濃いものであった。授業のある普段の生活では「SSC学生研究室」の存在がとても大きかった。そこには一人ひとりに,専用の机やパソコンが用意され,インターネットやプリンターも自由に利用できる。テスト前には,みんなで話し合ったり質問しあったりした。この研究室があったことが,SSC生との親睦を深めるきっかけになったと思う。また,3コースそれぞれで行われる「セミナー」の存在も大きかった。このセミナーは基本的にはSSC生だけの少人数で行われる。私が所属する生命科学工学コースでは,セミナーは一回生の後期から始まり専門的な実験を行ったり,『THE CELL』という英文の専門書を読んだりした。SSCでは,英語の履修時間が多くなっていることも特徴的だと思う。
他にも「SSCならでは」という事が多々あるが,その「恵まれた環境」で何をどれだけ吸収できるかは,結局は自分自身にかかっていると実感している。入学して2年。あっという間の2年だったからこそ折り返し地点の,今からの2年を大切に過ごしていきたい。その先のために。

地球惑星科学コースの1期生としてスーパーサイエンス特別コース(SSC)に入学し,3年で早期卒業しました。現在は研究中心の生活をしています。研究内容は物質のシミュレーションで,昇華現象の研究を行っています。計算用のプログラムを作成,修正し,長時間コンピューターで計算させ,その結果を解析,解釈するという流れを繰り替えしています。さらに、並行して理論面での勉強も進めています。
来年4月からは博士後期課程に進みます。分野を変えて再度地球科学の研究を行うことにしており,時間の合間に関連する論文を読み漁っています。 地球科学は進展が速いので,三年間離れていただけでかなりのブランクを感じています。以前は未解決だった問題が解決されていたり,新たな進展があったりなど,物理科学とは違った面白さがあります。
生活に関しては、朝「出社」,夜「退社」の普通の生活です。自転車通学のためか体も健康です。最近はスタディヘルプデスクで,学部学生の数学や物理,化学の指導を行っています。週末は高校時代の友人とよく集まってワイワイと時間をつぶす事が多いですが,たまに総合健康センターの方に誘われて山へ行くこともあります。
3年間のSSCでは,学部学科に縛られず講義が受けられ,SSC用に専門的な講義がある,自習教室があり24時間利用できるなど,支援体制が整っていたという印象です。普通の理系学部に入っても得られないものがSSCにはあります。講義は興味があるものを次々と受講し,大変でしたが苦ではありませんでした。高校生は勉強しなかったので,当時を知る友人や両親からは,とうとう頭がおかしくなったとまで言われましたが充実していました。また,他学部にも友人を作ることができ,現在も交流があります。
今後は,前述のとおり,Ph.D.コースに入って地球科学の研究に参加しようと思っています。その後は研究過程で得た知識と技術を生かして,研究機関か民間企業への就職を考えています。Ph.D.でもそのつもりで研究活動を行う予定です。

環境科学コースの1期生としてスーパーサイエンス特別コース(SSC)に入学し,今年の3月に卒業しました。高知大学の大学院に進学し,SSCの「課題研究」で扱った研究テーマを拡大して研究に取り組んでいます。この写真は愛媛県久万高原町の古岩屋という場所です。近くに,国民宿舎があります。ここは久万層群の古岩屋層にあたり,私は久万層群のこのような露頭において,岩相解析などの調査を行い,堆積環境の復元を行っています。授業などもあるので,全部の時間を自分の研究に割くことはできませんが,学部のころよりは研究中心の生活を送っています。
SSCでは,生活においては他の学部生とあまり変わらない過ごし方をしていたと思います。ただ,勉強面においては,自分の進みたい分野だけでなく,幅広く勉強することができよかったです。また,語学研修などSSC独特の授業などは,なかなか普通に大学に通っているだけではできないもので,様々な経験を積むうえでもSSCは良い環境でした。また,愛媛大学のある松山市は,買い物や遊ぶ場所も近くにあり,かといって騒音など騒がしくもなく,住みやすい場所でした。大学も,郊外にあるわけではないので交通も便利でした。
これは,SSCに限ったことではないとは思いますが,大学で勉強などをうまくやっていくのは自分次第であると思います。ただ,SSCにはほかの学部にないような制度や授業などがあるので,それをうまく活用して,納得できる大学生活を送ってください。

現在,私は医学部の研究室で,神経細胞の成長や保護をするタンパク質について研究しています。研究と聞くと何か難しいことに取り組んでいると感じられるかもしれません。しかし,例えば,「ノックボールペンはどうしてペン先を本体に戻すことができるのだろうか?戻るのだからバネが入ってるのかな?」と思ったとき,あなたは,本当かどうか調べようと思いますよね。まず分解し,次に分解した部品を調べます。すると,小さなバネが見つかり,このバネは,ボールペンの芯の先の方にある少し出張った部分に引っ掛かり,押し戻していることが分かります。これで,ペン先を本体に戻しているのはバネであるということが証明できます。ノックボールペンを外から見てもバネは見えません(バネが見えるボールペンもありますが・・・)。分解することで,ボールペンの構造や仕組みを解明することができます。
つまり,これも『ノックボールペンの仕組みを明らかにする』という一種の研究です。こう考えれば,研究という言葉も親しみやすいのではないでしょうか。私は,「どうして神経細胞が成長するのだろうか?成長させるタンパク質が存在しているからではないかな?」と思い,神経細胞内を観察して,本当にそのタンパク質が神経細胞を成長させているのかどうかを調べています。ノックボールペンのように自分の手で解体したり,肉眼で見ることはできませんが,大学の授業を学べば解体したり,見ることができるのです。
なぜ私がこの研究をしているのかというと,脳の仕組みや構造にとても興味があったからです。このコースについて調べた方は,どうして私が医学部で研究できるのだろうと感じていると思います。3回生から始まる研究室配属では,原則として,理学部,工学部,農学部の研究室に受け入れてもらうことになっています。しかし,私の場合,希望に合った研究室は医学部だったため,自ら相談しに行きました。ありがたいことに,今の研究室の教授が受け入れてくださり,研究生活は充実しています。
1,2回生の頃,「もう研究職には進みたくない」と考えていたのですが,研究室配属が始まり,いざ実験を行ってみると,やはり研究職というのは面白いと感じるようになりました。このように感じられるのは,バックアップしてくださる教授の方々のおかげで,自分のやりたい分野を研究できたから,また,このコースに入学できたからだと思います。自分のやりたい研究テーマが決まっているなら,このコースに入ることをお勧めします。

ストレートな物言いで,学内でも一目置かれる存在の遠藤教授。常識にとらわれない考え方は,研究にも学生にも大きな影響を与える。そのひとつに『学習と勉強は異なる』という考えがある。「学習とは前例をまねるということであり,勉強とは学習したことをもとに個々のアイデンティティを持って物事を掘り起こしていくこと。過去から学ぶ後ろ向きなのが学習,これに対して,前に向かっていくクリエイティブなのが勉強。それはリスクも大きいが,得られることも大きい。実験と研究も同じで,実験は答えのある問題を解くだけ。研究は可能性のある仮説を立て,実験によって答えを確かめていくことなのです。」 教授の座右の銘はアインシュタインの言葉『Formulation of a problem is often more essential than its solution』―解答よりも方程式(仮説)を立てることの方がより重要なのだ。「日本人は学習を得意とし,勉強ができる人が少ない。これからは固有の研究ができる人材が求められる。そういった優秀な学生が入学することで,指導する側も試されるんです。彼らを満足させられるよう,海外の一流研究者と接する機会を作ったり,他大学の研究を見せたりすることで勉強の協力をしたい。」釣りが趣味の教授は,学生を誘って釣りに行くこともあり,同行した学生は『よく学び,よく遊べ』と教えられたという。オンとオフを使い分け,研究,趣味,どちらにも揺るがない情熱を持って楽しむのが遠藤流だ。