*)21世紀COEプログラム「沿岸環境科学研究拠点」:サブコアプロジェクト研究
1) プロジェクト名
「環境汚染の現状と歴史の解析に基づく流域・沿岸域環境の適正管理に関する研究」
2) メンバー
(CMES)武岡英隆(教授)・井内美郎(教授)・大森浩二(助教授)・郭新宇(助教授)・梶原夏子(助手)・加三千宣(COE研究員)・宮坂仁(COE研究員)・阿草哲郎(D3)・久保田彰(D2)・Karri Ramu(D1)・酒井大樹(D1)
(工学部)渡邉政広(教授)・三宅洋(講師)
(法文学部)堤純(助教授)・野崎賢也(講師)
(理学部)井上幹生(助教授)
3) 目的
これまで流域及び沿岸域生態系の適正管理は,それぞれ別の問題として扱われてきた。しかし,近年,森(流域)・川(河川)・海
(沿岸域)の各生態系を水・物質循環を通した一連のシステムとして捉えるより総合的な取り組みがもとめられるようになってきた。このシステムの時間的変化を追跡し,流域での土地・水利用形態の変化が沿岸海洋環境に与えてきた影響解析を行う。集水域から沿岸域までの物質が集まる沿岸海底堆積物を解析し沿岸環境変遷史を作成する。同時に,
行政資料から流域生態系における土地・水利用形態の変化をたどり土地・水利用変遷史を作成する。最終的には,この方法の異なる2つの環境変遷史を統合させて,流域及び沿岸域生態系の土地・水利用形態の変化が沿岸海洋生態系に及ぼす影響を解明し,沿岸域生態系の保全を考慮した流域生態系の適正管理への指針を導くことを目的とする。
4) 方法
4−1)環境変遷史の作成
本年度は伊予灘・重信川流域において都市化またはダム建設等の影響に着目する。将来的には,土地利用変遷の異なる流域―沿岸域にて比較調査を行う。
@ 沿岸域の堆積物コア解析による沿岸環境変遷史の作成
過去150年間の流域及び沿岸域の変化を蓄積している浅海底堆積物からCNS(炭素・窒素・硫黄)安定同位体比分析・内分泌撹乱物質等有害物質分析・バイオマーカー(生物起源物質)分析を用いて沿岸環境変遷史を作成する。
A GIS(地理情報システム)解析による流域の土地・水利用変遷史の作成
流域生態系において行政資料(人口,土地利用,上下水道),古写真などから土地・水利用形態の変化をたどり,GIS解析による土地利用変遷史を作成する。
4−2)流域―沿岸域生態系の現状把握
流域からの水・物質が河川を経由して沿岸域に到達し,堆積するまでの輸送過程を明らかにし,異なる2つの環境変遷史を統合させるための研究を行う。
B流域・沿岸域生態系の水・物質循環の解析
C陸域物質の拡散・堆積過程に関する水理モデルの構築
4−3)環境変遷史の統合解析と流域―沿岸域生態系の適正管理手法の構築
上記の@〜Cの研究結果を基に,モデル解析による流域及び沿岸域の適正管理要件の抽出に関する研究を行う。
D流域―沿岸域生態系モデルの開発
E他の海域への適正管理手法の応用
5) 期待される成果
流域―沿岸環境変遷史の総合的解析法は,再現性の高い環境履歴の診断・追跡技術として,また,広範な地域の汚染状況を推測することができる効率的な技術として,地球環境問題に必須の方法となろう。
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