国語科
未来のための古典学習へ
-思考力や想像力を養い、自己実現力を高めるための古典学習の工夫-
(竹縄 隆子)
『おくのほそ道』の序章の面八句を取り上げた学習を行った。「草の戸も住み替はる代ぞひなの家」という発句から想像を広げて,次にどのような句を付ければぴったりくるかを言葉を吟味させながら考えさせた。第二句を個人で考えたあとは,小集団で第三句以降を作らせた。
芭蕉の思いを受けての連句作りだったので難しかったが,他者が詠んだ歌の世界を想像してそれに続く句を詠むということで,感性を磨き,自分の気持ちや考えを表現し,伝える力,すなわち自己表現力を高めることにつながった。また,他者の句に自分が句をつなげる,自分の句に他者が句をつなげるということで,連句のよさを感じた生徒も多かった。

(大上 航太)
『徒然草』第52段(「仁和寺にある法師」仁和寺の法師が石清水八幡宮に参拝せず,極楽寺・高良神社のみに参拝して帰った失敗談),第53段(「これも仁和寺の法師」調子に乗って頭にかぶった鼎が抜けずにひどい目にあったという失敗談)を用いた授業を行った。
生徒に,それぞれの章段の人物や失敗の内容を比較させた後,第53段の教訓を考えさせた。さらに,仁和寺の法師の失敗談を続けて紹介した兼好法師の気持ちを考えさせた。
二つの章段を比較して読ませたり,兼好法師の考えについてお互いの考えを交流させたりすることで,古人のものの見方や考え方を理解するとともに,自分の考えを深めることにができた。

社会科
社会を形成していく力の育成
-かかわり合い、互いに考えを深め合う言語活動を通して-
地理的分野「近畿地方~環境や環境保全の取組を中核とした考察~」の実践より
(宮本 真人)
「近畿地方の水環境を保全する取組」を中核に据えて,「近畿地方の人々は、なぜこれほどまでに徹底して琵琶湖・淀川水系の水を守っているのだろうか。」という学習問題のもと、近畿地方の地域的特色を多面的・多角的とらえさせていった。その際、生徒同士のかかわりを密にし、練り合い高め合いによって質の高い本質的把握に至るよう,追究活動や表現活動において,ペアや小集団での学習の場を効果的に設定するとともに、映像や写真資料,電子黒板やコンピュータ(iPad)の活用について工夫した。本単元を通して,持続可能な社会を構築するためには,どのようなことが重要であるかについての考えを広げ、深めさせることができた。
歴史的分野「身近な地域の歴史を探る~伊能忠敬の功績を通して~」の実践より
(松浦 英樹)
身近な地域の歴史や具体的な事象の学習を通して歴史に対する興味・関心を高め、様々な資料を活用して歴史的事象を多面的・多角的に考察することにより、生徒に社会的判断力や行動力を育成したいと考えた。伊能忠敬が、愛媛測量をしたときの足跡をたどったり、地域に残された文化財を調べたりする活動を単元中に設定し、その学習を通じて、社会的判断力や行動力を身につけさせることを計画し、実践した。

数学科
数学を活用する力を育てる指導の工夫
情報を活用する力を育成し自力解決を促すフリークライミング学習についての研究
(藤家 慎吾)
課題解決の際に生徒が見つけた「解決のポイント」や「疑問点」を教師が黒板に書き出し共有させ、個人思考で行き詰まっている生徒に活用のきっかけを見つけさせる学習(フリークライミング学習)を継続して研究している。昨年度は、題材設定を工夫し、実際の地図にある道の図を数学の舞台に載せるところで、フリークライミング学習を取り入れた。数学化して課題を解決する過程は難しかったが、ほとんどの生徒が意欲的に考え、板書のヒントを自分の解決過程に活用していた生徒も多かった。自力解決ができないと思われた生徒も自分の力で解決できたと実感し、グループでの活動や新たな課題設定への意欲化につながった。

数学的な知識や技能を活用する力を育てる指導の工夫
-4色使いの記述と活用のコツの表現を通して-
(赤松 結美)
自分のもつ数学的な知識や技能を上手く活用できるようにするために、課題解決につながる考え方や解法等を自分の言葉でまとめたものを「活用のコツ」と呼び、学習課題の解決後や単元のまとめの段階で表現させる指導を継続している。多様な課題解決の経験をさせることと活用の仕方を言語化・意識化させることに重点をおき、その有効な指導の工夫として、学習課題解決の過程を自分の考えと他者の考え、分からないことと新しい自分の考えで色分けして記述させた。その結果、多様な考え方や解決方法が出たり、つまずきや行き詰まりが起こったりする学習課題を設定することで、表現できる「活用のコツ」はその量、質ともに高まった。新たな学習課題を「活用のコツ」でかいた考え方や解決方法で解決しようと考えるようになってきている。

数学的に考えてきたことを振り返る活動を通して、数学的知識の構造化を図る指導の工夫
(吉本 浩司)
単元の全体構造を理解していない生徒のばらばらに記憶された数学的知識どうしを関連付け、構造化させ、問題を数学的に考え解決するために、数学的知識を適切に取捨選択することができるような指導の工夫を行った。単元の指導計画をコンセプトマップ(それぞれの数学的知識の関連を矢線で表した構造図)の形で作成し、指導に生かすとともに、単位時間ごとに振り返りカードをかかせ、それを基に生徒自身にコンセプトマップを作成させた。その結果、生徒の数学的知識の構造化を図る力が育ってきた。また、この取組をいくつもの単元で継続していくことで、前学年や前々学年で学習した内容を含めて構造化する生徒も出てきて、数学的知識を活用できる範囲が広がってきた。

音楽科
心が動く、心がつながる、生きた音楽を求めて
-子どもから大人へ、楽しく、感動する音楽活動の場の創造-
(来嶋 英生)
楽しく感動する音楽活動の体験を子どもが積むことによって,また,本物の音楽活動を共有する場を設定することによって,音楽に対する意欲や関心を高め,音楽の基礎力を身に付けさせることをねらいとし,授業実践を行った。「I♥XXX」ではヴォーカリーゼ的なところに言葉を当てはめ,そのニュアンスを表現させた。「島唄」では,修学旅行での体験を生かし,合唱だけでなく,沖縄風のお囃子や踊りを創作し,小学生に教える活動を取り入れた。学校内だけの発表ではなく,2曲を松山市の連合音楽会でも披露した。これらの活動によって,ほとんどの生徒が,楽曲や音楽に対して新たな発見があり,音楽の幅が広がった。音楽活動を通してわき上がってくる気持ちや,満足感を身に付けていくことが,未来を人間らしく生きていく一歩になることが感じられた。

美術科
感性や想像力を働かせるための美的体験を生かした鑑賞プログラムの研究
-視覚的な効果をねらった,色分けによる情報活用-
(大川 博司)
鑑賞の活動においては,作品の情報や知識を一方的に解説するのではなく,生徒を作品と向き合わせ,生徒の素直な感想や意見を引き出していく対話型鑑賞の方法を用いるようにした。美術作品にじっくりと向き合わせ,対象からイメージを広げたり,感じたことを伝え合ったりさせることで自分の気持ちや考えを表現し伝えることのできる【自立】の力を身に付けさせたいと考えた。
また,生徒それぞれが鑑賞活動の中で互いの気持ちや考えというものを表現し,それらの多様な価値観を尊重することができる【共生】の力を身に付けさせたいと考えた。
そして,小集団や全体での鑑賞の場面において,自分や他者の意見や考えを明確にさせ,活動の中で効率よく情報のやりとりをさせるために,視覚的な効果をねらい,次のような4色の色分けによる情報の活用を行った。

技術・家庭科
持続可能な社会の実現を目指す生徒の育成を図る指導の工夫
【技術科分野】
e-Learningを活用した自己学習力を高める学習指導の研究
(楠橋 光久)
e-Learningを活用して,「スプラウト育成と育成記録のデジタルデータ作成」に取り組んだ。
(1) 今回のスプラウト育成は,2回行うこととした。1回目の育成は, e-Learningのコンテンツに沿って育成させた。2回目の育成は1回目の結果に基づき,より高い目標を目指した育成計画を立てさせた。
(2) e-Learningの特徴を生かすために写真や図表を多く取り入れ,視覚化することで,初めてWebページを作成する生徒でも理解しやすいコンテンツになるようにした。さらに,各コンテンツの下にボタンを付け目的のシートへ容易に移動できるように工夫した。
(3) デジタルデータ作成時は,無線LANでネットワークに接続した携帯情報端末機器を活用させた。そのためにデジタルデータ作成用のPCとは別に,コンテンツを見るための携帯情報端末を各グループに与えた。生徒は,一人がディジタルデータを作成し,他の一人がコンテンツを調べ内容を伝えながら,学習を進めていた。

【家庭科分野】
持続可能な社会の実現を目指す生徒の育成を図る技術・家庭科の教材開発
~実践的・体験的な学習を生かした食生活の指導の工夫~
(中川 篤美)
基礎的・基本的な知識と技術を定着させるための学習指導の工夫
基礎的な日常食の調理【B(3)ア】の学習において,調理の基礎的・基本的な知識と技術を定着させるために,調理実験を取り入れ,調理上の性質を明確にした上で,調理実習を行った。
第2学年 調理実験を通して,3つのハンバーグについて,その調理方法「手作りのハンバーグを焼く」「レトルト食品をゆでる」「冷凍食品を電子レンジで加熱する」を比較させた。観察・試食の際には観点ごとに見比べ,話合い活動を通して弁当の主菜であるハンバーグを選んだ。その後,ハンバーグを主菜としたオリジナル弁当の献立作成・調理実習へとつなげた。
第1学年 野菜の調理において,「きゅうりの塩もみ」「りんごの変色」の2つの調理実験を行い,実験の結果から次時に行う「さつま汁・きゅうりの酢の物」の調理のコツを考えさせた。

英語科
コミュニケーション能力を育成する指導の工夫
-4技能を総合的に育成する言語活動を通して-
4技能を総合的に育成する言語活動の工夫
-スピーチ活動を通して-
(在間 正樹)
4技能を総合的に,バランスよく育成する言語活動を取り入れることで,自立の力と共生の力に基づくコミュニケーション能力が身に付いていくと考えた。その言語活動の1つとして,中学1年生ではスピーチ活動が,4技能を総合的にバランスよく育成するのに有効だと考え,題材として自己紹介活動を選んだ。
まず自分のことについて振り返り,聞き手のことを考えながら自己紹介文を書かせる時間を設けた。そして,級友と自己紹介をする機会を多く設定した。ペア活動を通して「書く活動」と「話す活動」をうまく連動させることで,表現力を高めさせることができた。

行く河
生徒が自分らしく生き抜くための支援
心の能力を高める学習プログラムの開発
-ストレス耐性を高め,自分らしく生きる-
(松原 由起)
サイコエデュケーション(psycho-education)の中の「思考の教育」(複数の価値観にふれさせて思考を錬る)をとりあげた。中学三年生を対象に「リフレーミング」と「自己説得法(論理療法)」を特別活動の領域で教材化する取組を行った結果,多くの生徒の自己概念や対人関係に変容がみられた。「~ねばならない」と自分を縛っている「shoud思考」に対しての反論を考えさせることで,自らの心を疲れさせていた「疲労思考」に気付かせ,より効果的な新しい考え方を採択させた。また,日常生活の中で自らの感情をしっかりと見つめ,自己内対話をし,その背後にある非合理的ビリーフ(思い込み・信じ込み)について考える習慣も身に付けさせていった。今回は特に,「急げ」のドライバーに焦点を当て授業を構築した。
人間関係を科学的に見つめ、認知の枠を広げる(1年生対象)
(山口 京子)
この学習内容は、「人の悩みは、出来事そのものではなく、出来事の受け取り方によって生み出されるものである。そのため、受け取り方を変えれば悩みはなくなる」という論理療法をもとに学習計画を立てた。まず、生徒たちに、学校生活の中で、一つの出来事に対し、いろいろな見方や感じ方があることを教員の4パターンの寸劇から気付かせた。生徒たちが、人間関係を感情でみるのではなく、科学的に見ることができるようなるために心理分野について学習させた。主な学習内容は、「認知(見たり聞いたり覚えたり、思い出したり、考えたり、価値を判断したりなど、知的活動全体のこと)」は、人によって違うことや人によって違う理由や、認知は変換できること学習させた。認知の変換については、変換の際のキーワードを見つけさせ、変換する練習を取り入れたことで、実際の生活で認知の変換ができやすくなった。


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