農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻土壌中の物質移動メカニズム教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2環境をきれいにする土壌微生物生物環境学専攻 環境保全学コースキーワード水、土、微生物98水圏・土壌環境学光延 聖 准教授私たちが毎日目にしている土壌は、陸上すべての生物に必要不可欠な存在(インフラ)です。例えば、陸上生態系は植物による一次生産によって支えられていますが、その植物の生育をあの手この手で絶妙に支えているのが土壌です。また、土壌は表面積の大きな鉱物(主に粘土鉱物)を多く含んでおり、「陸上最大の物質吸着剤」として機能します。汚染物質や重金属が混入しても、土壌はそれら物質をすぐさま吸着(除去)して、環境をきれいに保つ能力を持っています。私の研究テーマは、「土壌中で物質移動が起きる仕組みを理解すること」です。まだ知られていない土壌の優れた能力を解き明かすとともに、その能力をうまく利用することで環境負荷の低い土壌修復法の開発へつなげる、そんな研究を目指しています。生命の生存基盤である土壌はまた、多種多様な微生物の保管庫としての一面をもちます。耳かき一杯の土壌には数億匹、数千種の微生物が含まれるといわれます。生命の機能はその遺伝子に宿るため、この点で土壌は巨大な遺伝子プール(または遺伝子資源)といえます。この特性を活かして、私たちは土壌から環境修復に利用できる有用微生物を単離する(利用できるよう1種に分ける)研究を進めています。微生物による環境修復(バイオレメディエーション)は、化学的な処理と比べて低環境負荷、省エネルギー、低コストであることが大きな利点です。環境の世紀と呼ばれる21世紀に、より一層の応用が進むと考えられています。一緒に研究してくれる学生さんをお待ちしています。生命のインフラとしての土壌重金属吸着能を有する土壌微生物 (鉄酸化細菌) の単離土壌保全から環境保全に繋げる

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