農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
102/118

食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻「グローカル」な化学汚染の監視と物質動態の解明化学物質の多様化に応じた新規測定・毒性検知法の開発教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生物環境学専攻 環境保全学コースキーワード残留性有機汚染物質、内分泌かく乱、機器分析100高橋 真 教授環境計測学環境中で分解されにくく、生物に蓄積するような「残留性有機汚染物質」による汚染は、近年地球規模で広がっています。PCBやダイオキシン類のように、すでに法律等で廃絶・削減が進められている物質もありますが、類似の性質を持った化学物質が、今なお利用され、環境中に存在しています。私たちの研究室では、そうした微量かつ残留性の化学物質による“グローカル(Global&Local)”な汚染実態の解明を目指して、様々な分析法の開発や環境調査を行っています。調査研究の対象は、地域の河川等から、アジアの都市大気、沿岸や深海の生態系まで、幅広い地域・媒体が対象です。身近な化学汚染の広がりや遠隔地への物質輸送などに関する“新たな発見”が、私たちの健康と地球環境を守ることにつながります。現在、私たちの身の回りでは、数万種類に及ぶ化学物質が利用されており、新たな化学物質の開発・生産も進んでいます。一方、法律等によって環境や生態系における汚染監視やリスク評価が行われている化学物質は、そのごく一部にすぎません。化学物質の多様化が進むなか、従来のモニタリングや毒性試験だけでは、その汚染の実態やリスクが十分に把握できていない可能性があります。私たちの研究室では、質量分析装置等による先端的な機器分析や遺伝子導入細胞等によるバイオアッセイを活用して、環境中や廃棄物に含まれる化学物質を網羅的に測定する手法や内分泌かく乱などの毒性を包括的に検知する手法の開発と応用に取り組んでいます。これらの“新たな手法”が未来の環境保全に役立ちます。日本海における深海生態系サンプルの採取調査ガスクロマトグラフ質量分析装置による物質測定環境汚染物質のゆくえとリスクを見極める

元のページ  ../index.html#102

このブックを見る