農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻ペット動物に蓄積した有害化学物質の汚染実態調査ペット動物の代謝機構解明と疾病との関連解明教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生物環境学専攻 環境保全学コースキーワードペット、化学物質、室内汚染私たちの身の回りには多くの化学物質が存在し、摂食や接触、呼吸などを通して様々な化学物質を生体内に取り込んでいます。それはヒトだけでなく、生活を共にするイヌやネコなどペット動物も同様に多様な化学物質を取り込んでいると考えられます。室内では殺虫剤や難燃剤、塗料などの化学物質が使用されており、餌やハウスダストを介して取り込むことで健康へ悪影響を及ぼしているのではないかと予想されます。また、ペット動物はヒトの乳幼児と行動範囲や行動様式が似ていることから、室内環境汚染の指標動物としての可能性も注目されています。ペット動物に蓄積した化学物質を測定し、どのような物質が、どれくらいのレベルで存在するのか調査しています。近年、ペットの化学物質曝露と甲状腺機能障害や糖尿病、ガン、アレルギー疾患などの病気との関連性が指摘されています。化学物質は生体内に取り込まれると、肝臓中の薬物代謝酵素で水酸化代謝され、その後、体外へと排出されます。しかしながら、ポリ塩化ビフェニル(PCBs)やポリ臭素化ジフェニルエーテル(PBDEs)など一部の化学物質の水酸化代謝物は甲状腺ホルモンなどのホルモンと似たような構造を持つことから体内に残留することが知られており、内分泌かく乱作用によって病気を引き起こすのではないかと推測されています。化学物質曝露と病気との因果関係の解明には、イヌやネコの化学物質代謝メカニズムの解明が必須であり、先端分析機器を使用して健康リスク評価を行っています。水川 葉月 准教授環境計測学生体内における化学物質代謝の概念図私たちの身近なペット動物であるイエネコ101化学物質からペット動物の健康を守る

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