農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻目には見えない空気中の化学物質を見える化シックハウスを未然に防ぐ新たな空気検査方法の普及教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2環境産業科学(三浦)石坂 閣啓 助教生物環境学専攻 環境保全学コース空気中の化学物質を測定し社会と環境に役立つ研究開発キーワードシックハウス、パッシブサンプラー、分析化学普段何気なく吸っている空気ですが、1日の吸引量は容量にして10~15㎥程度、重量にして約20Kgにも及ぶと言われています。空気中の微量の化学物質は、労働生産性や健康に関わる重要な要素の一つとして注目されています。例えば天然の有効成分は、森林浴やアロマテラピーとして利用されていますし、接着剤やシンナー、香料の成分は、シックハウス症候群や香害などの原因となることもあります。私たちの研究室では、捕集・分離・数値化する分析化学的アプローチによって目には見えない空気中の微量の化学物質を見える化する研究を行っています。通常のシックハウス検査は、ホルムアルデヒド、トルエン、キシレン、エチルベンゼン、スチレン、p-ジクロロベンゼンを測定対象としています。近年ではこれらの化学物質の使用は減り、室内中に含まれることはほとんどなくなりました。その一方で代わりの化学物質の使用が増えており、新たなシックハウス症候群を引き起こしています。この問題を未然に防ぐために、当研究室では室内空気中の揮発性化学物質の総量とその成分を調査することができる「パッシブサンプラー」を開発しました。新築時やリフォーム完成時の空気検査においてこの手法の活用事例を増やし、新たな空気検査方法としての普及をめざしています。GC/MS測定によって検出された空気中の化学物質。それぞれのピークが物質を表しています。パッシブサンプラーを用いた空気測定の様子103

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