農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻誰もが簡単にできる分析技術を目指して教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2大気環境中の農薬測定方法の開発生物環境学専攻 環境保全学コースキーワード環境分析、環境汚染、農薬104環境産業科学(三浦)稲葉 健治 助教環境中には微量の有害汚染物質が存在します。汚染の把握のために化学分析を行います。分析作業では、まず土や水などの環境試料から汚染物質を抽出します。抽出した液には汚染物質の他に分析を妨害する物質が同時に多く含まれています。そのため、妨害する物質を取り除くための精製作業を行います。その後、濃縮作業を行いGC/MSなどの分析装置で測定し環境試料中の汚染物質の濃度を把握します。しかし環境試料の種類によっては、同じ精製方法でも精製が不十分になり、正しく測定できないことがあります。そこで、多くの種類に対応できる精製方法の開発をしています。誰もが簡単で正確に分析できる方法を作り、環境の実態把握など社会に役立つ技術の開発を目指しています。農薬は農作物の生産性の向上、安定供給のために多くの場所で使用されています。しかし、農薬の使用方法を間違えると生物や環境に悪影響を与えてしまいます。使用した農薬によって環境や人の健康に影響が生じないように、農薬の使用方法と残留農薬基準値が設定されています。農薬は収穫物に微量に残ってしまう場合や使用時に大気中に飛散したりします。私たちが体に取り込む農薬の多くは食品からですが、大気中からも微量に農薬を取り込んでいることが推測されます。そこで、本研究室では、大気中の農薬濃度を測定する方法を研究しています。有害汚染物質測定屋外でのサンプリング状況環境分析技術を社会のために

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