農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻真珠と科学:真珠養殖を科学的に丸裸に教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2地元との連携:新発見は現場から生物環境学専攻 環境保全学コースキーワード真珠、アコヤガイ、バイオテクノロジー真珠養殖は130年以上前に日本で開発されたバイオテクノロジーです。宝石である真珠をアコヤガイの特性を人間が巧みに利用して作り出します。全国で真珠養殖に用いるアコヤガイは愛媛県が90%を生産していて、真珠についても日本の30%を生産しています。真珠養殖は人間がアコヤガイに手を加えて真珠を作り出しますが、「おまじない」と思えるような科学的証明がなされていない作業が多くあります。例えば、アコヤガイを生産するために重要な性別について、性転換することを私たちが科学的に報告したのは2018年です。真珠養殖には科学のメスが入っていないことがたくさん残されています。私たちは真珠養殖を科学的に調べることで、愛媛を代表する産業である真珠養殖に貢献します。現在の真珠養殖に用いられている技術は、養殖現場から生まれたものです。これらの技術を科学的に解析することは、真珠養殖の効率化に繋がります。私たちは、地元の若手業者が中心となって立ち上げたNPO法人あこや真珠交流会(あこ真)のみなさんと一緒に真珠養殖の新たな技術の開発のため、様々な実験を行っています。真珠、アコヤガイを育てる海の観測は非常に重要です。地元漁協や養殖業者の皆さんと一緒に定期的な海洋調査を行い、海がアコヤガイに与える影響などを調べています。本講座は真珠養殖の中心地である宇和島市に拠点を置き、役立つ研究を養殖業者と一緒に進めています。さらに、水族繁殖生理学講座(三浦猛教授)と連携し最先端の解析が可能な体制で研究を行っています。岩井 俊治 助教真珠産業科学3種類のアコヤガイを使って試験生産した真珠NPO法人あこや真珠交流会と共同で行なっている試験珠出し105徹底的に現場にこだわり、科学する

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