農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻下水処理水・汚泥の農業利用技術の開発教育・研究内容紹介1農村に適した水質浄化技術の開発水環境再生科学治多 伸介 教授生物環境学専攻 水環境再生科学特別コース農村の水質環境を改善して豊かな農村環境を実現するキーワード水質浄化、再生資源利用、水環境分析106日本と世界(特に発展途上国)の農村において汚染された水質環境を改善するため、有機物(BOD、COD)、リン、窒素、重金属、内分泌攪乱物質、医薬品、化粧品、農薬、マイクロプラスチック、病原性微生物などの様々な水質汚染物質を除去、分解する水質浄化技術を開発しています。農村向けの水質浄化技術には、汚染物質を効率的に分解、除去するだけではなく、維持管理が簡単で、コストが安い、という条件が強く求められます。そのような技術開発は難しいですが、開発した技術は「下水処理、上水処理、農業用水・農業排水の浄化」といった様々な用途で、世界中で広く利用される可能性が高く、その研究はとてもやりがいがあります。世界の水不足問題の解決のために、下水処理水を農業用水として安全利用するとともに、処理水に含まれる有用成分を肥料として有効利用する技術を開発しています。また、下水処理に利用した微生物や化学薬品などからなる廃棄物(汚泥)も、肥料として利用する技術を開発しています。通常の下水処理水や汚泥には、肥料として有効な成分(窒素、リン、カリウム、ホウ素、亜鉛など)とともに、農業利用の際に不安のある成分(病原性微生物、重金属、硫酸イオンなど)が含まれています。現在開発している技術は、通常の処理水や汚泥から不安成分を十分に除去する一方で、有用成分を適度に残して農地に利用する方法や、有用成分のみを回収して利用する技術です。室内モデル装置を用いた処理技術開発教育・研究内容紹介2先端分析装置を用いた水質分析下水処理水を利用した水田での実験汚泥からのリン回収装置

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