農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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種なしでカラーピーマンの生産性アップをめざすトマトの果実が大きくなるということ教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2食料生産学専攻 農業生産学コースキーワード野菜、生育制御、栽培パプリカやカラーピーマンなどの需要が高まっていますが、これらは完熟するまで樹上にあるため、株にとって負担が大きく、着果が不安定になり収量が低くなることが問題になっています。果実の着果・肥大には、一般的に種子形成が必要です。しかし、種子が大きくなるために使われる光合成産物はかなり多く、この分を食用部分に分配することができれば、果実収量を増加させることができるかもしれません。そこで、無種子でも大きな果実がとれるような植物ホルモン剤の処理方法について検討し、この時の果実の品質、光合成産物の分配、細胞分裂の様子などについて研究しています。トマトの花が咲いて果実になり、それがさらに大きくなるとき、果実には根から無機養分の溶けた水が、葉から糖(=光合成産物)が溶けた水が入ってきます。その量は、発育段階や栽培条件によって変化するため収穫時の果実の大きさや味は様々ですが、これはどんな仕組みで決まっているのでしょうか。果実肥大の盛んな若い果実では、果実自身が持っている光合成産物や水を引き寄せる力が大きな役割を果たしていますが、品質が決定される成熟直前の果実でのコントロールの仕組みはよく分かっていません。私は、光合成産物を引き寄せる原動力である果実内の糖代謝酵素の活性、果皮が硬くなる物理的抵抗、植物ホルモンによる成熟制御の観点から研究を進めています。片岡 圭子 教授蔬菜花卉学無種子と有種子のカラーピーマントマト果実の肥大制御9知れば知るほど野菜は面白い!

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