農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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高血糖がニワトリにもたらす影響を解明する新しいニワトリの飼料原料を探索する教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2食料生産学専攻 農業生産学コースキーワードニワトリ、糖化、飼料12牧野 良輔 助教畜産学ニワトリは血液中の糖(グルコース)がヒトの約3倍多い高血糖動物であり、糖尿病のような状態です。糖尿病になると血管や臓器にダメージを受けて、様々な合併症になることが知られています。しかし、ニワトリはそれらの合併症を発症しません。このメカニズムを解明できれば、糖尿病合併症の予防法を開発できるかもしれません。では、高血糖はニワトリにどんな影響をもたらすのでしょうか? その一端として、我々は、タンパク質合成の材料であるアミノ酸が血液中の糖と結合することで、アミノ酸がタンパク質の材料になれなくなることを明らかにしました。これは、鶏肉生産の効率を減らします。高血糖なニワトリの謎を解き明かせば、ニワトリの生産にも役立つと信じて研究を進めています。低いと言われる日本の食料自給率ですが、鶏卵はほぼ100%、鶏肉も60%強を自給できています。しかし、ニワトリが食べる飼料は、そのほとんどを海外からの輸入に頼っています。養鶏業の経営コストの7割弱を飼料代が占めていますから、海外の飼料原料が高騰すると養鶏業の経営は大変苦しくなることが予想されます。そこで我々は国内、特に愛媛県の農作物の副産物を利用した、新しいニワトリ用飼料原料の探索に取り組んでいます。副産物を安価な国産飼料原料として利用するのはもちろんですが、与える飼料によって鶏肉や鶏卵の品質は変化しますので、より美味しい鶏肉・鶏卵を作るために味や成分も調べています。高血糖動物のニワトリ(左)と血液成分を分析する機械(右)鶏肉の味を数値化する機械ニワトリの生産性向上と新規飼料の開発

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