農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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ヒメバチ科とセダカヤセバチ科の分類害虫の寄生蜂相を知る教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2小西 和彦 教授環境昆虫学食料生産学専攻 農業生産学コース寄生バチの多様性を知る、寄生バチで害虫を防除するキーワード寄生蜂、天敵、分類14ハチと言えば、よく知られているのはミツバチ、スズメバチ、アシナガバチ、アリ、といったグループではないかと思います。しかし、ハチの中で種数、個体数ともに最多なのは、所謂寄生蜂の仲間です。寄生蜂は、雌バチが他の昆虫に卵を産み付け、孵化した幼虫がその昆虫を食べて成長し、最終的に殺してしまうという生活をしています。利用している昆虫の種類や、卵を産み付ける場所(体内や体表など)、卵を産み付ける昆虫の成長段階(卵、幼虫、蛹、成虫)などが寄生蜂の種や属によって異なっていることが、多様さの要因になっています。そして、種数が多いゆえに、日本にどのような種が生息しているのか、ほとんど解明されていません。そんな寄生蜂の中でも特にヒメバチ科とセダカヤセバチ科について、形の違いに基づいて分類し、利用する昆虫や寄生の仕方が寄生蜂の中でどのように進化したかを考察するために系統解析を行っています。寄生蜂は他の昆虫に寄生して殺してしまうことから、害虫を餌としているものは農地での害虫の密度抑制に貢献しているはずです。そこで、在来天敵の働きを知るために、個々の害虫種にどのようなハチが寄生していて、どの種がどのような周辺環境の場所で優占種になっているかを、潜葉性害虫を対象にして調べています。ここで得られた知見を基に、どのような圃場管理をすれば圃場の中で在来天敵寄生蜂が活躍できるのかを考えます。アリの幼虫に産卵するアラカワアリヤドリバチアシグロハモグリバエに産卵するハモグリコマユバチ

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