農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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非破壊でトマト果実のリコピン含量を測る青果物の長期貯蔵でフードロス削減教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2食料生産学専攻 植物工場システム学コースキーワードポストハーベスト、非破壊計測、高付加価値化近年、消費者の食への関心が高まり、機能性野菜が求められています。太陽光植物工場で栽培されるトマト果実には、健康や美容効果があるリコピンが含まれており、注目されています。赤色色素であるリコピンは、収穫後の環境を最適に制御することで増加させることが報告されています。リコピンを増加させる環境制御を行うためには、リコピンを非破壊で測定する技術が必要です。そこで、近赤外分光法を用いて、トマト果実に含まれるリコピン含量を非破壊で計測する研究を行っています。さらに、計測データを利用して、貯蔵後のリコピン含量を予測するモデルの開発も行っています。青果物は収穫後も生命活動を維持しているため、消費者の手に届くまでの流通過程で品質は劣化していきます。大きな原因として呼吸が挙げられており、品質保持では呼吸を抑制することが重要とされています。呼吸を抑制する方法として、青果物の温度を下げる低温貯蔵と青果物をプラスチックフィルムで密閉包装し、包装内の酸素濃度を低く、二酸化炭素濃度を高く保つ、MA(ModifiedAtmosphere)包装の技術を組み合わせたものが効果的な品質保持技術として期待されています。様々なMA包装資材を用いることで、葉菜類や柑橘類を品質を保持しながら長期貯蔵することに挑戦しています。高橋 憲子 准教授流通工学分光測定器を用いた測定の様子貯蔵後のブロッコリーの花蕾(包装資材なし(左)とあり(右))トマト果実のスペクトルデータ27貯蔵環境を制御する

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