農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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ローカルフードシステムの構築に関する日米比較研究水田農業政策の転換が米の需給調整に与える影響教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2椿 真一 准教授農業政策学食料生産学専攻 食料生産経営学コース食料の安定供給の仕組みとそれを支える政策を考えるキーワード社会的公正、ローカルフード、米政策34経済のグローバル化が進展する中で、食料の生産から消費にいたる過程で様々な問題が発生しています。こうした問題と政策との関連を明らかにし、食料生産・流通・消費の実態をふまえて農業・農村の振興を図るための方策を研究しています。特に、工業的な農業が進展する中で、食料生産から消費までの距離が長くなっており、食料の安全性低下といった問題が発生しています。また先進国においても貧困層が拡大しており、新鮮な食料を入手できない人たちが多くいます。これに対し、食料生産から消費にいたるまでの距離を短縮し、誰もが健康的な食料を入手できるようにする取り組みが米国や日本でみられます。国内外の実態調査からローカルフードシステムを構築するための条件を解明します。わが国では1960年代後半以降、米の過剰問題が発生しており、米の需給均衡と価格の安定を目的に1970年代からずっと米の生産調整政策に取り組んでいます。しかし 2018年度にはこの生産調整が廃止されました。これにより、米の需要と供給の均衡や価格の安定が実現できるかが問われています。米の生産調整が廃止されたあとの主食用米の需給調整の実施体制や需給調整機能を分析するとともに、水田の利用状況や作目の変化を現地での実態調査から明らかにすることで、米の過剰問題と価格の安定を実現できるような諸条件を明らかにする研究に取り組んでいます。アメリカのファーマーズマーケット水田農業と農村の風景

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