農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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農産物における体系的マーケティング手法の開発通勤農業の選択理由と柑橘産地に及ぼす効果教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2食料生産学専攻 食料生産経営学コースキーワード実践的研究、マーケティング、通勤農業た。かにしました。同居ストレスがない、④配偶者(妻)の就業の維持などです。この通勤農業により、A柑橘産地では、農業者数と栽培面積の10%程度の減少抑制、1戸当たり100万円程度の所得向上効果が確認できます。36山本 和博 准教授農業経営学本研究では、イチゴを対象に、体系的マーケティング手法を開発しましまず、①消費者の潜在的なニーズを具体化するため、女性パネラーによる官能調査を実施しBrix値11%の糖度基準を明らかにし、②松山市場管内で流通しているイチゴのなかで糖度11%以上は、全体のわずか10%しかないことを明らかにしました。ついで、③高糖度イチゴの栽培技術として、寒じめ栽培技術を探索し、④実際に量販店や百貨店での販売実証試験の結果、小売価格480円/200gでは2日間で完売することを確認しました。最終的に、これら①~④の体系的マーケティング手法を農業者に技術移転した結果、JAおちいまばりでは、商標名「あま恋いちご」としてブランド確立し、農業者の所得向上に大きく貢献しています。なお、これら研究の詳細は愛媛大学HP「最先端研究紹介infinity」に記載しています。本研究は、全国に先駆けて通勤農業の概念や実態およびその効果を明ら愛媛県の農村部にあるA柑橘産地では、親と同居しない通勤農業により、担い手が確保されています。彼らは妻子とともに松山市内に居住し、毎日30分程度をかけて通勤農業を行っています。通勤農業をする理由は、①生活の利便性、②子供の教育環境、③親とのそのため、今後農業の担い手対策としては、通勤農業も視野に入れた行政支援が必要です。高糖度イチゴの販売実証試験通勤農業者の作業風景実践で使える研究成果の創出をめざして

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