農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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地域農業の展開過程と農協事業の相互関係性地域社会における協同組合組織としての農協のあり方教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2食料生産学専攻 食料生産経営学コースキーワード地域農業、協同組合38アグリビジネス板橋 衛 教授地域農業の構造は、土地、作目、労働力などの分析を通して特徴が示されます。その構造は、生産されている作目の違いからも容易に想像できるように、地域ごとに様々な姿をみせています。自然条件を無視して農業は成り立ち得ないから、単純に考えると、地理的な条件の違いが地域農業構造の相違と結論づけられてしまいます。しかし、農業生産に従事するのは人であり、その関わり方によっては、地理的条件が同様なところでも違った姿を現しています。その関わり方の点で、日本の農村部に組織されている農協の事業機能に注目します。地域にある農協は、地域農業のあるべき姿をデザインし、それに即した事業活動を行っています。そうした事業展開が地域農業の活性化につながります。農協は地域農業を構成する農業者を組合員としており、その組合員によって設立された協同組合組織です。しかし同時に、農村という地域社会における役割も求められます。そのため、農業生産に関わる営農指導・生産資材購買・販売事業のみではなく、地域住民を対象とした生活関連や信用・共済事業も行っています。これは組合員である農業者と地域住民の要望に応える形で開始され拡大してきました。農業政策や地域政策の動向とも関わるため、時には政策的な関与も強まりますが、自主的な協同組織として地域農業と社会を支える役割を果たしてきました。今後、人口減少と地域資源の管理が課題となる日本の農村部において、地域社会の存続のために農協の役割発揮がさらに求められます。愛媛県における果樹農業協同の力で地域農業と地域社会の活性化を図る

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