農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻環境に優しい農薬による植物保護を目指してなんでそうなるの?「なんでそうなるの?」理由がわかると、新しいモノを開発できる可能性がでてきます。たとえば、あるラン藻は光合成を阻害する物質を生産しています。その物質の「どんな構造」が活性に重要で、「どこ」に作用しているのか、作用機構がわかると、新規除草剤の開発につながるかもしれません。また、肉食性のクサカゲロウ幼虫は、餌昆虫を麻痺させる成分を生産しています。麻痺成分に関する研究は殺虫剤の開発につながりますよね。一方、この幼虫の体色は成虫になると緑色になります。なんで緑色になるの?新しい色素が発見できるかもしれません。教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生命機能学専攻 応用生命化学コースキーワード生物活性、農薬、作用機構自然には未発見の面白い生物活性を示す物質がたくさん眠っています。なかには昆虫、植物や微生物の行動・生理現象を制御できる物質もあり、それらは殺虫剤、除草剤、殺菌剤などの農薬としての応用が期待できます。ただ、自然界から見つかるのは宝石の原石であり、それを研究で磨いてキラリと輝かせる必要があります。私の研究室では、作物害虫に殺虫活性を示す一方で、哺乳類などには安全性が確認されている細菌を自然界から単離しており、この菌が作り出す殺虫成分や菌体自身を「自然に優しい農薬」として開発できないか研究しています。このように自然の力を利用して、生物制御剤を開発する研究は、私たちの安定した食生活の維持に役立つことが期待できます。こんな問題に有機合成化学や機器分析などの力を駆使して取り組んでいます。西脇 寿 准教授生物有機化学クサカゲロウの幼虫と成虫自然に優しい生物農薬の開発47自然は面白い化合物が詰まった宝石箱

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