農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻伝統的発酵微生物の潜在能力を探る微生物の力で持続可能な社会の実現を教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生命機能学専攻 応用生命化学コースキーワード発酵、バイオプロセス、バイオリファイナリー54阿野 嘉孝 准教授発酵化学私たち人類は、微生物の存在を知る以前から、巧みにその力を利用してきました。伝統的な発酵にはそれぞれ特有の微生物が使われています。しかしこれらの微生物は、元々は自然界で生息していたもの。ある時どこからか侵入し、たまたま人類に有益なものを作っていたに過ぎません。このような微生物を、人類は長い時間をかけて大切に育ててきました。「人類に育てられた微生物は、なぜ自然界の微生物より発酵能力が高いのか?」この答えをDNAやタンパク質のはたらきから探っていきます。人類が理解できている遺伝子のはたらきはまだわずかです。両者を比較して違いを明らかにし、その潜在能力を未来の発酵技術(バイオプロセス)にうまく活かすことを目指しています。私たちが生きる21世紀は、人類が存続するために大きな変革が求められている時代と言えます。産業革命以降、人類は生活の豊かさと引き換えに、地球温暖化、環境破壊、石油枯渇などの早急に解決すべき諸問題に直面しました。この問題の解決に人類は再生可能な植物バイオマスの利用を進めようとしています。「バイオマスをいかにして人類の生活に使いやすい形に変換するか?」未来のための環境調和型の産業構造の構築に、微生物の力が期待されています。微生物は地球上の至るところに生息し、そこにある物質を分解して、生きるために必要な物質に変換しています。有用な微生物機能を、発掘し、化学し、応用することで、新しい未来づくりに貢献することを目指しています。果物に生息する酢酸菌の分離固定化菌体とバイオリアクター微生物の力を未来のために

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