農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻木材を利用した木造建築の持続可能性探求木材の物理的性質の解明教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2森林資源利用システム学杉森 正敏 教授生物環境学専攻 森林資源学コース再生産可能な森林資源を利用し居住空間に豊かさを!キーワード森林バイオマス、木質材料、木造建築リオデジャネイロの地球サミット(1992)以来、地球温暖化防止には、豊かな森林生態系の保全と人間により森林を適切に管理して、そこから産出される木材の利用が推奨されてきました。2019年に発生したアマゾン、オーストラリア、インドネシアでの森林火災により、この重要性があらためて認識されました。古くから森林資源を持続的に利用してきた日本では、現存する古民家に地域の森林から伐採された木材が利用されており、その地域の森林の態様が反映されています。樹種の材質に応じて用途を使い分けている先人の知恵が網羅されています。これらの特徴を明らかにして、人類が住み続けられるまちづくりのために森林とその資源の使い方を探求します。洋の東西を問わず、木材はものづくりの中心的材料として活躍してきました。しかし、ここ100年程で、プラスチックや金属にその立場を奪われてきました。その理由は、生物材料ゆえの複雑さとばらつきが故の知見の少なさにあります。近年、持続的利用可能性と、セルロースナノファイバーを始めとした高機能性から、木材利用が再び脚光を浴びています。杉元宏行准教授と共同で当研究室では、木材の有効利用に必須となる木材の物理的性質を主に研究しています。最近では、木材の見え方について新しい結果を得ました。従来、木材の色は、光吸収が支配していると考えられてきました。しかし、我々は光透過も色には重要であることを明らかとしました。69

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