農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻木材の物理的性質の解明新規木質材料の開発教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生物環境学専攻 森林資源学コースキーワード木材物理、新規木質材料、建築材料70森林資源利用システム学杉元 宏行 准教授洋の東西を問わず、木材はものづくりの中心的材料として活躍してきました。しかし、ここ100年程で、プラスチックや金属にその立場を奪われてきました。その理由は、生物材料ゆえの複雑さとばらつきが故の知見の少なさにあります。近年、持続的利用可能性と、セルロースナノファイバーを始めとした高機能性から、木材利用が再び脚光を浴びています。当研究室では、木材の有効利用に必須となる木材の物理的性質を主に研究しています。最近では、木材の見え方について新しい結果を得ました。従来、木材の色は、光吸収が支配していると考えられてきました。(写真左濃部分=高密度)。しかし、我々は光透過も色には重要であることを明らかとしました(写真右高密度部が高明度)。木材の持つ、人間と環境との親和性から、巨大な市場への利用が拡大しています。前述の、木材の物理的性質の知見を活かすことにより、新規の材料開発を行っています。例えば、任意の部位のみ光透過性を高めた木材を開発しました(写真)。これは、”木材の光透過性が、材料内部の反射の影響を受ける”こと、また、”材料内部の反射は、屈折率の異なる界面において生じる”ことという2つの知見を活かしたものです。光を透過させたい部位のみ圧縮加工を施し、界面数を減らすことで、このような性質の材料が得られます。上述の光学特性だけでなく、力学、電気、熱的性質や、さらには化学的な知見も活かすことにより、世界を変えるための新規の材料開発を行っています。木材の見た目を変える新規の加工法木材の見た目に及ぼす透過光の影響木材利用で地球温暖化を防ぐ

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