農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻安全で働きがいのある林業をめざして森林管理の理念を求めて教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生物環境学専攻 森林環境管理学サブコースキーワード持続可能な森林管理、林業労働安全、環境倫理持続可能な森林管理を支える林業労働は、危険で、きつく、給料が安い仕事の代表です。林業を働きがいのある仕事にするためには、まず労働災害をなくして安全な仕事に改善しなければなりません。その実現に向けて、最も労働災害の多いチェーンソーによる伐木作業について、木を伐る作業を三次元動作分析によって評価し、スタンダードな技能の解明を行なっています。同時に安全知識の向上のためにボードゲーム形式の林業安全ゲームを開発するとともに、VR機器を利用した危険予知トレーニングの開発、近づき過ぎた時に警報を鳴らす無線による近接警報装置の開発などを行なっています。さらに、労働災害と給料・処遇の関係について、安全性と生産性の両面から研究を進めています。二酸化炭素を吸収・貯留する森林を育てて利用することは、気候変動の緩和に具体的に貢献することになります。しかし、世界的には森林の劣化と減少が続く一方、日本では人工林が手入れされずに荒廃する問題を抱えています。これらの問題の背景には、いずれも人間の経済性原理があります。持続可能な森林管理を実現するためには、近視眼的な経済性原理以外のしっかりした森林管理の理念や哲学が求められます。森林を健全に保つことを大命題とする環境倫理をスタンダードな理念とし、森林と人間の関わりの履歴を尊重する多元道徳的な東洋思想をローカルな理念とし、これら2つの理念の共生に解決策を求める研究を進めています。山田 容三 教授森林環境管理学チェーンソーによる伐木作業森林と人間が共生する里山77森林と人間の共生の道をさぐる

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