農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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はだか麦の生産性と品質の向上を目指した技術の確立ハトムギの生産性向上に向けた栽培技術の確立教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2食料生産学専攻 農業生産学コースキーワード作物、乾物生産、物質分配荒木 卓哉 教授作物学はだか麦は、愛媛県が作付け面積と生産量が30年以上日本一の主要農産物です。その多くは麦味噌に用いられ、瀬戸内地方の麦味噌文化を育んできました。近年は、はだか麦に多く含まれる機能性食物繊維(β-グルカン)が注目されていることから、生産量の増加と利用拡大が期待されています。しかし、はだか麦は湿害に弱いため、播種時期(11月中旬)に降水量が多いと、初期生育が優れなかったり、播種を12月に遅らせることになり、収量が減少します。そこで、バイオマス生産や光合成産物の分配に着目して、遅まきした場合のはだか麦の生産性改善について取り組んでいます。ハトムギの子実はヨクイニンと呼ばれ、古くから漢方として用いられてきました。利尿鎮痛作用やいぼとりへの効果が知られています。最近は肌のくすみへの効果も報告されており、化粧水や石けんなどへの用途が広がっており、生産量の増加が期待されています。子実成長のためには、葉で作られた光合成産物の子実への輸送が不可欠です。しかし、ハトムギは複雑な構造をしているため、光合成産物の穀実への分配について明らかになっていません。そこで、ハトムギの収量構成に関する詳細を光合成能力や光合成産物の分配に着目して明らかにしながら、生産性増加に向けた栽培技術の確立に取り組んでいます。ハトムギの穂(左)と穀実(右)収穫前のはだか麦6作物の生産性向上を目指して

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