農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻酵素を用いたCNFの分離技術および用途開発植物バイオマス成分分離技術の開発教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生物環境学専攻 バイオマス資源学コースキーワードバイオマス、セルロース、糖質分解酵素20世紀の化石資源に依存した社会は、大気中に排出された大量のCO2による気候変動等、多くの問題を生み出してきました。光合成によってCO2を固定する植物バイオマスの活用は、問題解決策の一つとなりえます。製紙産業は、木材を活用したバイオマス産業の成功例ですが、紙以外の用途も含めた新しいバイオマス活用産業を創出する必要に迫られています。我々は、バイオマスの新たな有効活用を目指し、酵素や微生物といった生物機能をうまく使って木材等の植物バイオマスを有用な物質に変換する研究を行っています。製紙産業の成功事例を大学と現場で学びながら、将来の新しいバイオマス活用産業を創る為に一緒に考え、研究しませんか?82秀野 晃大 講師紙産業教育セルロースナノファイバー(CNF)は、軽量高強度、ガスバリア性などを多くの機能を有するバイオマス由来の新素材です。現在、CNFは化学的な製造法や変性法が主流ですが、酵素を用いることで、省エネルギー且つ安全な調製および変性が可能になります。これまで、愛媛県の特産品である柑橘類の搾汁残渣(果皮)から、ペクチナーゼを用いた簡便なCNF調製法を確立すると共に、柑橘果皮CNFに乳化およびゲル化能を有する事を明らかにしてきました。他に、CNFを酵素処理によって変性する事で、熱安定性を向上させる事にも成功しています。現在、柑橘果皮CNFおよび酵素処理変性CNFの効果発現メカニズムや、用途開発について研究しています。図1 柑橘果皮CNFの概観と電子顕微鏡写真図2 製紙産業とバイオマス活用産業のプロセス酵素を使ったバイオマス新素材開発

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