農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2020
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生物環境学専攻 環境保全学コースキーワード飲料水、浄化、ゼオライト水中の重金属類はゼオライトで吸着・除去が可能です。病原性大腸菌類はゼオライトにある簡単な処理を施したもので殺菌が可能です。しかし、粉末状のゼオライトは浄化後の水からの分離が困難で、使い勝手がよくありません。その点、ゼオライト粉末を不織布などに付着させた「シート」は、取り扱いが容易で、たとえば子供でも簡単に家庭で飲み水を浄化できます。そこで、このようなシートを用いた水の浄化方法に取り組んでいます。2011年に福島第一原発から拡散した放射性物質は、今でも周辺の土壌にとどまっています。なかでも多いのは放射性セシウムです。これは、土壌成分がセシウムイオンを非常に強く吸着・保持し、水溶液による通常の洗浄法では脱着しにくいためです。そこで、上で紹介した「ゼオライト付着シート」に「平衡移動の原理」を組み合わせた方法を考案しました。ゼオライト類の中には、セシウムイオンを、土壌成分よりも強く吸着するものがあり、しかも天然に産出します。この天然ゼオライトを付着させたシートを水とともに汚染土壌に混ぜると、図のように、土壌からシートへセシウムイオンが移行し、セシウム汚染土壌の除染が可能となります。水圏・土壌環境学松枝 直人 教授天然資材をシート化して作成できる、安価・簡便な浄化ツール汚染された飲み水が原因で亡くなる人は年間およそ百万人に達し、その大半は途上国の乳幼児とされています。汚染物質の主なものは、病原性大腸菌類や重金属類などです。吸着剤共存法による土壌等のセシウム除染簡易浄水法のイメージ吸着剤共存法の原理97「化学」の力で水をきれいに

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