農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2023
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フードシステムの視点から食品産業をとらえるフードチェーンでつくる責任をつないでいく教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2食料生産学専攻 食料生産経営学コース28天野 通子 准教授フードシステム農林水産業を含める食品産業による様々な事業活動は、私たちの食生活に新鮮な農林水産物、便利な加工食品、外食など、おいしいものを、手軽に入手できる環境を提供してくれます。また、消費者に提供される食品は安全であり、人間の健康を害するものであってはならないため、各事業者は日々様々な努力を重ねています。これは、国内産だけでなく海外とのネットワークの中で生産される食品においても同様です。フードシステムでは、食品産業全体を河の流れに例えて、川上は農林水産業、川中は食品卸売業、食品製造業、食品流通業、川下は食品小売業と外食、のように位置づけます。そして、川上から川下までの各産業が食の安全を確保しながら消費者の様々なニーズに対応した商品を安定的に提供する仕組みをどのように構築しているかを把握し、そこにある課題を考えていきます。食品の生産過程で、衛生管理が不十分であったり、環境や地域に暮らす人々に様々な悪影響を与えてきたりしたことが広く認識されるようになっています。こうしたなか、食品の安全、環境との調和、人権への配慮、アニマルウェルフェアなど、食品には様々な要件が求められています。こうした要件を満たした食品を消費者まで届けるには、フードシステムに関わる全ての事業者が責任ある生産、流通・販売を行い、チェーンのようにつないでいく必要があります。つくる責任を果たすため、農林漁業者、食品関連事業者、NGO、政府などが様々な取組を行っています。私はこうした取組みがどのように浸透し、普及しているのかを明らかにする研究に取り組んでいます。GAP認証農場公正なフードシステムの在り方を考えるキーワードフードシステム、食品産業、認証制度

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