農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2023
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻液胞にはなぜアミノ酸が蓄積するのか?アミノ酸トランスポーターの作動機構から病気を考える教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生命機能学専攻 応用生命化学コース50遺伝子制御工学パンやお酒の製造に利用される酵母は、私たちにとって身近な微生物といえます。酵母の細胞内には「液胞」と呼ばれる細胞内小器官が存在します。液胞の中には様々なイオンや代謝産物が蓄積しています。特にアミノ酸は、遊離アミノ酸全体量のうち約50%が液胞に存在し、塩基性アミノ酸(リジン・ヒスチジン・アルギニン)はその70〜90%が液胞内に蓄積しています。液胞を覆う膜上にはアミノ酸輸送を行うタンパク質”アミノ酸トランスポーター”が存在し、エネルギーを消費してアミノ酸の出し入れを行っています。私達はこのトランスポーターの機能を明らかにすることで、液胞にアミノ酸が集積する仕組みを解明しようとしています。アミノ酸を輸送する液胞トランスポーターは、酵母をはじめとする真核微生物や植物の液胞膜だけでなく、私たちヒトのリソソーム膜にも存在し、その中には疾患関連遺伝子として知られるものもあります。液胞アミノ酸トランスポーターがいつ、どのようにアミノ酸を運ぶのか、その働きはどのように調節されていのるか等、トランスポーターの作動機構を酵母をモデルとして調べています。タンパク質が働くメカニズム解明に向けた研究から、ヒトの分子病態解明につながる結果が得られると考えています。河田 美幸 准教授※農学研究科研究グループ(ARG)「生命機能科学応用開発グループ」メンバ−酵母(青)とヒト(水色)のアミノ酸トランスポーターの酵母液胞へのアミノ酸取込み三次構造モデル液胞の機能を人々の生活に役立てるキーワード酵母、液胞、トランスポーター

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