農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2023
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻人と森とのツナガリ森での働き方、働く環境生物環境学専攻 森林資源学コース多様性な森林管理と持続可能な労働、地域経済をめざすキーワード林業、労働問題、木材流通68教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2川﨑 章惠 准教授森林環境管理学人は人類が発展する過程で森とさまざまな関係を築いてきました。たとえば、昔話に出てくるような牛馬と人力の農業の時代には森の落ち葉などは田んぼや畑の肥料に、薪を拾ったり、ツルや樹皮などでカゴを編んだり、実に多様で深い関係がありました。現代社会では、森を直接的に利用しなくても生活が成り立ち、多くの人々と森との距離は離れてしまいました。木を育てて利用する林業だけでなく、木を利用すること、森で過ごすこと、森の恵みで生活を豊かにすることなど、さまざまな森とのツナガリを文化や政策、経済という切り口からみつめています。森はそのままの姿がよいと一見考えられがちですが、人が植えた森林、人工林には手を加え続けなければなりません。日本の多くの人工林は第二次世界大戦後に植林されましたが、その当時とは人々の生活も、物価も、レートも大きく変わり、森林を所有する方の関心も遠ざかってしまいました。それでも、木を育てて伐る仕事を続けている方もいますし、都会育ちでも森に惹かれて森の仕事に就く方もいます。そうやって森で働いている方々が安全に、安定した条件で、長く健康に働き続けられる、夢を見られる仕事であるように、経営や政策的な視点で森で働く方々からさまざまなことを学んでいます。森林と人の生活の歴史を感じる棚田チェンソーによる伐木と採材作業

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