農学部・農学研究科教員紹介パンフレット2023
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地球温暖化によるイネの収量減少を抑える顕微鏡観察から、はだか麦の品質を考える教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2食料生産学専攻 農業生産学コース地球温暖化に伴う気温の上昇によって、日本の主食であるイネに様々な問題が起きてきています。その中で高温不稔は、高温によって受精が妨げられ、イネが実らなくなる現象です。この高温不稔が発生すると、イネの収量が大きく減少するため、今後解決しなければならない重要な問題と言えます。近年、イネの品種開発によってこの問題解決が図られていますが、私は現在普及している「コシヒカリ」等の既存品種でも施肥の方法を工夫する事でこの高温不稔を防ぐことができないかと考え、そのメカニズムの解明も合わせて研究を行っています。愛媛県で生産量が日本1位であるはだか麦は、白く粉のような玄麦内部が透明で硝子のように固くなる「硝子化」によって品質が低下します。このはだか麦の玄麦内部には、デンプンやタンパク質が「顆粒」として敷き詰められているため、玄麦の見た目や硬さが変化する際には、これら顆粒の形や量に何らかの変化が生じていると考えられます。そこで私は玄麦内部を光学顕微鏡や電子顕微鏡によって観察することで、この顆粒の変化の機微をとらえ、はだか麦の品質低下をもたらす要因の解明に取り組んでいます。畠山 友翔 助教作物学通常の稲穂(左)と高温によって不稔が発生した稲穂(右)光学顕微鏡によるはだか麦玄麦断面の形態観察7高品質作物の安定生産を目指してキーワード形態観察、物質生産、栽培

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