食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2生命、昆虫利用、生体防御生殖腺は個体の生体防御に関与する「飢餓をゼロに」と「海の豊かさを守ろう」へのつながる研究世界の人口が増加する中で、昆虫は次世代の食料・飼料源として注目されています。私たちの研究では、昆虫に機能性多糖類があることを発見し、この昆虫由来の多糖類が魚やエビの腸や肝臓で様々な免疫応答を促進し、生体防御として働くことが分かってきました。また、食料供給源としての魚類養殖は、その重要度を増し、世界的な生産量は、急激に増加しています。皆さんが、スーパー等で購入し、食卓にのぼるマダイ、ブリ、マグロ、ウナギ等のほとんどのものは養殖魚です。この養殖魚の餌には、カタクチイワシなどの小魚の粉が使われています。私たちは、海の資源保護の観点からも、魚粉を昆虫で代替し、魚類養殖を持続可能な生物生産技術とするための実践的な研究を行なっています。生物環境学専攻 環境保全学コースキーワード卵や精子などの生殖細胞は、次世代に遺伝情報を伝えることに特化し、受精して新しい生命を作ることから、生命を次の世代につなぐ担い手であると言えます。環境が悪化すると体へのダメージだけでなく、これらの細胞も死滅の危機にさらされます。私たちのウナギやメダカを使った研究から、生殖細胞と生殖腺(卵巣や精巣)には、生命をつないでいくため、外部の刺激に対する強い防衛メカニズムが備わっていることが分かってきました。また、生殖腺の方が肝臓よりも白血球の殺菌力を強める効果が高く、生体防御のための遺伝子もあることも分かってきました。私たちは、生殖腺には生殖細胞だけではなく、個体の免疫力をコントロールし、自身の繁殖を有利に導こうとしている可能性もあるのかもしれないと考え研究を行なっています。昆虫の飼料利用科学卵巣での抗酸化に関係する亜鉛の局在養殖マダイからの採血三浦 智恵美 教授生殖細胞から魚類養殖への貢献101
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