農学部・農学研究科教員パンフレット 2025年度
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食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2地域社会、産地組織、農業政策青年は自分ひとりでは農業できない青年は担い手となるために農業していない食料生産学専攻 食料生産経営学コースキーワード農学では、動植物の営みを私たちの営みのために利用する仕事である、農業という職業にも着目します。日本の農業は代々継承される家業でしたが、最近の若い農業者は、職業選択の一環としてこの仕事をとらえています。そこでは、仕事そのものに加えて、仕事を通じた自己実現や社会との結びつきにも、働く意味を見出しています。また、地域で同じ作物を生産する農業者が集まった産地組織や、農業者とその家族が生活する地域社会は、農業者を励まし経営を後押ししますが、制約することもあります。私は、農業者が、自立した経営者としての自分と、産地組織や地域社会のなかでの自分とを、どのように統合させながら農業しているのかを研究しています。日本では、農業者の減少・高齢化のなかで食料生産を維持するため、政策として、若い世代の農業の担い手を育成しています。そこでは、栽培技術の研修が受けられたり、収入が不安定な経営開始前後の生活費が給付されたりします。また、若い世代を引きつけることは、高齢化が進む農村地域にとっても重要であり、田畑の保全や、地域社会の結びつきの維持につながります。しかし、農業者は、担い手となり、地域社会で期待される役割を引き受けるためだけに、農業をしているわけではないはずです。私は、農業者がしたい農業と、そこで期待される農業とのズレをとらえ、農業者がそれをどのように解消し妥協しながら、農業しているのかを研究しています。農業経営学新規就農者を受け入れるために農協が設置した一団のビニールハウス鈴木 淳 助教青年農業者の経営展開は存立環境とのすりあわせ産地組織による共同出荷は販売を有利にするが、選果作業に出役しないといけない35

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