食料生産学科・専攻生命機能学科・専攻生物環境学科・専攻教育・研究内容紹介1教育・研究内容紹介2バイオマス科学、リグニン、樹木細胞壁熱化学処理による細胞壁リグニンの抽出リグニン発光特性を活用した機能性材料の開発木質バイオマス変換樹種・抽出法・溶媒・ポリマーの選択によるリグニン発光特性の制御生物環境学専攻 森林資源学コースキーワード持続可能な社会を目指し、樹木からエネルギーや役立つ物質を作る研究が進められています。その中でも、樹木の構成成分の一つである「リグニン」に注目しています。リグニンは地球上に多く存在するものの、化学構造が複雑で活用が難しいため、十分に使われていません。そこで、高温高圧の熱化学処理技術を使ってリグニンを樹木から取り出し、有用な化学物質へ変える方法を研究しています。また、樹木の種類や使う薬品によってリグニンの分解のされ方が異なるため、化学分析や顕微鏡観察を行い、リグニンの分解の仕組みを解明しようとしています。この研究が進めば、リグニンの活用が広がり、石油の代わりになる新しい資源として役立つ可能性があります。リグニンはもともと光を発する性質(自家蛍光)を持っていますが、その構造がとても複雑なため、光の強さや色を自由に調整することが難しく、実用化が進んでいません。そこで私たちは、リグニンの光る特性を活かした新しい材料を開発するために、「どうすればより強く光るか」「さまざまな色を出せるか」を研究しています。具体的には、リグニンの種類や抽出方法を変えたり、溶媒やポリマーを工夫することで、光る部分(発色団構造)の環境を調整し、発光の強さや色をコントロールすることに成功しました。現在は、熱化学処理や遺伝子組換え技術を使って、新しい発色団構造を作り出し、リグニンの発光特性をさらに向上させることを目指しています。髙田 昌嗣 准教授身の回りの森林資源は宝の山かも?木質バイオマス細胞壁を構成するリグニンの化学構造71
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