6 5 4ResearchersRe安全で快適な未来の交通システムを考える倉内 慎也准教授四国は、日本の中でも高齢化がいち早く進んでいる地方です。一方、公共交通のサービス水準は低く、日常生活を営む上でマイカーは欠かせません。しかし、皆さんの祖父母世代の方々がご高齢になっていざ運転ができなくなってしまったら、日々の生活はどうなるでしょうか?解決策として、運転操作を一切必要としない完全自動運転車の普及が期待されていますが、道路交通需要の増大に伴う渋滞や、エネルギー・環境問題など、様々な問題が生じることが懸念されます。実際、四国地方を発着地とする県間移動を対象に、完全自動運転車が普及した社会を想定してシミュレーションを行うと、公共交通のシェアは激減し、現状では収益性の高い幹線鉄道の存続も危ぶまれます。皆さんも未来の都市や交通システムのあるべき姿を我々と一緒に考えてみませんか?Re河川の視覚的繋がりから考える新たな地域デザイン白柳 洋俊講師近年、豪雨による水害が頻発する中、洪水からの逃げ遅れに関する対策が課題となっています。逃げ遅れの原因のひとつは、住民の河川に対する意識の低下にあります。私の研究室では、日常生活を送る中での視認性に着目し、まちなかからの河川の視覚的繋がりが防災意識を醸成することを空間情報学と心理学の知見を融合して解き明かそうとしています。まちなかからの河川の視覚的繋がりは、防災や減災に寄与するばかりか、優れた景観の創造に繋がることから、住環境の向上や、観光資源の創出などの効果も期待できます。現在、産官学連携の下、研究成果を踏まえた実際の公共空間の設計を行っており、新たな地域デザインの社会実装へと展開を図っています。Re「人類にとって海とは何か?」の答えを探す日向 博文教授日向研究室では、「人類にとって海とは何か?」という問いに答えるべく研究を進めています。これは我々が設定した問いです。大学は問いを自由に設定できる場所です。答えに辿り着く道は様々です。海洋科学からアプローチする方法、あるいは文化人類学的にアプローチする方法などがあるでしょう。我々は、プラスチックという「標識」を選択し、人類が排出したプラスチックに対して、海洋がどの様に「応答するか」という視点から答えを探しています。具体的には、海洋中におけるプラスチック動態を海洋科学に基づいて詳細に調べています。最新の研究によって、海洋は、選択的に小さなプラスチック片を植物プランクトンと一緒に沈めていることがわかってきました。このことは何を意味するのでしょうか?沈んだプラスチックの運命は?研究は続きます。04Department of Civil and Environmental Engineering, Ehime Universityraeshcraeshcraeshc紹介
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