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COLLECTION 道後樋又(愛媛県松山市)出土と伝えられる8本のうちの1本の銅剣。身半ば左右に大きく突出する棘状の突起をもち、薄身なことから平形銅剣と呼ばれています。武器としての使用にはそぐわない、武器の形をした非実用的な道具、つまりマツリの道具(祭器)と考えられます。平形銅剣は、松山市内では道後城北に集中して出土し、さらに愛媛・香川に広がります。平形銅剣が作られた弥生時代中期末葉頃(約2,000年前)には、愛媛大学城北キャンパスを中心とした文京遺跡に大規模な集落が営まれ、平形銅剣のマツリを主宰し、さらに愛媛・香川に及ぶ地域的広がりにおいても枢要な役割を果たしたことが推察されます。このような評価に基づき、本銅剣は令和2年11月に松山市文化財(考古資料)に指定されました。〒790-8577 愛媛県松山市道後樋又10番13号TEL:089-927-9022 MAIL:koho@stu.ehime-u.ac.jp編集・発行/愛媛大学広報室 2021年9月 発行伝 道後樋又出土の平形銅剣愛媛大学ミュージアムEhime University Museum

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