Ehime University Graduate School of Humanities and Social Sciences10 日本列島は旧石器時代からアジア大陸との交流を始めますが、金属器を使用する弥生時代以降、交流の性質、頻度、背景は大きく変わります。これは各地の社会構造や地域間関係の複雑化を反映しています。東アジア考古学研究では日本、中国、朝鮮半島の原始·古代社会を生産、流通、交流をキーワードとして学びます。 皆さんは、未来の歴史を創るだけではなく、日本史を研究することで過去の歴史を創ることもできます。正しい歴史的事実を明らかにし、現代の日本が進むべき道標を示すことは、日本史研究の本質です。古文書を解読し、その真実を見極め、学説と比較して自分なりの結論=歴史像を創り出していく訓練を大学院では行ないます。 私は中国の近世史、具体的には宋·金·元代の都市や財政·貨幣等について研究しています。特に最近は、南宋の都となった臨安(現在の杭州)について、様々な角度から検討を加えています。また南宋政権の成立史にも興味を持っています。大学院の授業では、宋代の都市や社会経済について、関連史料を読みつつ考えていきます。 専門は、西洋古代史、特に前5〜4世紀の宗教と社会の関係を研究テーマとしています。古代ギリシア世界は、ポリスという小さな都市国家·共同体の集合体であり、多数の神々を祀る「多神教」世界でした。アテナイで生まれた民主政も、そういった意味で宗教と深い関わりを持っており、様々な観点から考察しています。MURAKAMI Yasuyuki学位 : 博士(文学)主な担当科目 : 東アジア考古学研究【研究のキーワード】手工業生産、物流、社会構造EBESU Hikaru学位 : 文学修士主な担当科目 : 日本歴史文化論研究【研究のキーワード】日本近世史、資料学、大名、巡礼、祭礼、地域社会TAKAHASHI Hiroomi学位 : 博士(文学)主な担当科目 : アジア社会史研究【研究のキーワード】アジア、中国近世、社会経済史SAITO Takahiro学位 : 修士(史学)主な担当科目 : ヨーロッパ歴史文化論研究【研究のキーワード】古代ギリシア史、「多神教」世界、共同体 発掘調査などの考古学の研究手法を用いて、生産技術や流通をキーワードに、”鉄”の存在がアジアの文化や社会に与えた影響について研究しています。学生時代は北海道アイヌや江戸遺跡の研究なども行っていましたが、現在の主なフィールドはモンゴルです。毎夏モンゴルで匈奴や大モンゴル国時代の遺跡を発掘しています。 日本列島社会における近現代史の展開を、思想史やメディア史、地域史といった手法を用いて研究しています。とりわけ19世紀末から20世紀初頭を対象として、日本のみならず東アジア全域を視野に、地域社会に生きた実業家や生産者、青年層の活動や思想に即してナショナリズムや対外認識の形成過程を分析しています。 私の専門は中国古代史で、特に、春秋時代を研究対象としています。春秋史の基本史料は『春秋左氏伝』(『左伝』)と呼ばれており、この史料や近年出現した清華簡『繋年』と呼ばれる出土文献を用いつつ、「君主」という存在に注目して、春秋時代独自の特徴を見出すことが最近の研究テーマです。SASADA Tomotaka学位 : 博士(文学)主な担当科目 : アジア考古学研究【研究のキーワード】アジア、比較考古学、無文字社会NAKAGAWA Mirai学位 : 博士(文学)主な担当科目 : 日本歴史交流論研究【研究のキーワード】日本近現代史、ナショナリズム、対外観MIZUNO Taku学位 : 博士(史学)主な担当科目 : アジア歴史文化論研究【研究のキーワード】古代中国、春秋史、新出資料村上 恭通 教授胡 光 教授高橋 弘臣 教授齊藤 貴弘 教授笹田 朋孝 准教授中川 未来 准教授水野 卓 教授
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