愛媛大学法文学部ガイド2022
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EHIME UNIVERSITY FACULTY OF LAW & LETTERS17いずみ ひ で おいし ぐろ さと し消費者被害とは具体的にどのようなものですか? 振込め詐欺や架空請求などがニュースにもなり有名ですが、チケット詐欺やフリマアプリの被害など、若い方々も決して無関係ではありません。具体的にどのような活動をしているのですか? えひめ消費者ネットというNPO法人の副理事長として活動しています。えひめ消費者ネットは、2018年に四国で初めて適格消費者団体として内閣総理大臣の認定を受け、消費者被害の未然防止・拡大防止のための活動を行っています。適格消費者団体とは何ですか? 適格消費者団体とは、不特定かつ多数の消費者の利益擁護のために必要な適格性を有する消費者団体として認定を受けた消費者団体です。具体的には不当な勧誘行為や不当な広告、消費者の利益を害する不当な契約条項等について、その是正を申し入れることができ、是正されなかった場合には差止請求訴訟を提起することができます。消費者の側も、被害にあわないように気をつけることが大事ですよね。 えひめ消費者ネットは、消費者被害防止のための様々な啓発活動も行っていて、消費者教材の作成にも力を入れています。私のゼミの学生はこの活動に参加し、大学生向け消費者教材「大学生の消費者トラブル−インターネット・SNSの利用における日々の生活の中で、災害に関係するニュースを聞かない日はありません。 災害は日本に住む私たちにとって身近な存在であると同時に、毎年のように発生する被害をいかに軽減するかは、極めて重要な研究課題です。ご専門の地理学と災害研究はどのような関係にあるのですか? 災害学という学問は、これまでのところ確立されていません。しかし、地震や台風など、災害を引き起こす自然現象のメカニズムの解明と、社会における被害の分布や程度、予防や対策などを、総合的に研究でき得る学問領域は、「地理学」をおいてほかにありません。地理学は、文化や歴史、経済など人間活動が関わる人文現象を取り扱う「人文地理学」と、自然環境や自然現象のメカニズムの解明に主眼をおいた「自然地理学」があります。災害はこれらのすべてに関係する現象ですので、地理学の知見を結集させる必要があります。具体的にどのような研究をしているのですか? 私の専門は自然地理学です。活断層が活動した際に地表において形成される「変動地形」を、ドローンによる空撮映像を用いて調査しています。これにより、その断層が過去に、いつ、どのくらいの地震を引き起こしたかを知る手がかりになります。こうした研究の積み重ねにより、災害発生のメカニズムの解明と、被害軽減に向けた取り組みが進むことが期待されます。泉 日出男 教授 経済法石黒 聡士 准教授 地理学注意点−」を作成し、県内の大学、短期大学、専門学校に配布しました。若者の視点から作られた、とても分かりやすい教材になっていますね。 2022年4月1日から成年年齢が18歳に引き下げられることに伴い、18歳、19歳の若年者に消費者被害が拡大する危険があることが指摘されています。えひめ消費者ネットでの活動や大学での消費者教育を通じて消費者被害の未然防止に努めていきます。トピックス法文学部の研究と社会活動消費者被害の防止に向けて地理学の知見を集結させ災害に向き合う

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