愛媛大学法文学部ガイドブック2023
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Humanities course人文学履修コースEHIME UNIVERSITY FACULTY OF LAW & LETTERS13COURSE REPORTSTUDENT VOICE人文学履修コース昼間主コースよこ い そう た横井 蒼大香川県立坂出高等学校出身日本史専門演習IIへの招待 井伊直弼はどんな人物だったのでしょうか? 朝廷を無視して条約を結び反対派を弾圧した国賊? それとも国難に立ち向かい日本を開国に導いた英雄? 立場の違う史料を読み解くと全く異なる結論にたどりつきます。新しい史料を発見すれば、未知の歴史に出会うこともできます。皆さんは、未来の歴史を創るだけではなく、過去の歴史を創ることもできるのです。正しい歴史的事実を明らかにし、現代の日本が進むべき道標を示すことは、日本史研究の本質だと思います。そのために、過去の人々が記した古文書を解読し、古文書の真偽を判断し、史料内容の真実を見極め、自分なりの歴史像を創り出していく訓練を本授業で行っています。 大学での日本史は高校までとは違い、史料読解の力を身に付けることが主となります。特に、近世史以前の史料は歴史研究を行っていく上で、くずし字を理解することが非常に重要となってきます。そのために、今私は授業で扱っている四国霊場に関する史料や古文書調査を通じて史料読解の力を養っています。本物の史料に触れることができる本ゼミは自分の将来に役立つと考えています。 井伊直弼を支えた南紀派と呼ばれる大名グループには、松山藩主松平勝成がおり、反対の一橋派には宇和島藩主伊達宗城が組していました。伊予には八つも藩があり、多様な歴史と史料を持ち、歴史研究の素材には事欠きません。藩は、現在の言語や文化、産業などにも影響を与え、近世に本格化する四国遍路や祭礼は今も盛んです。現代社会の原点である近世史を、史料から直接学び、史料の大切さを知り、伝えていく。楽しく、ともに歴史の扉を開いてみましょう。えべすひかる胡 光 教授日本史実践から学ぶ日本史学古文書から歴史を発見

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