法文学部ガイド2026
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Humanities course人文学履修コースCOURSE REPORT日本紀は息づいています。なぜこのようなことが行われたのでしょうか? 中世は乱世です。先の見えない不安な時代にあって、人々は自分たちの生きる世界に何かしらの意味付けをしようとして試行錯誤します。中世日本紀という概念が生まれたのもその一環だったのでしょう。神話の時代と自分たちの時代を繋ぐことで「今」の価値を高めようとしたのです。この授業では『平家物語』内の神話を足掛かりとして、こういった中世びとの試行錯誤の様を探っていきます。古代神話とは異なる中世独自の神話、中世日本紀の世界に触れてみましょう。それが中世文学、そして中世という時代について考える第一歩となるはずです。STUDENT VOICE人文学履修コース昼間主コースよこやま さちね横山 幸音広島県立福山誠之館高等学校出身12EHIME UNIVERSITY FACULTY OF LAW & LETTERS日本比較文学特講への招待 日本神話と言えば、『古事記』や『日本書紀』に代表される古代のものだと思っていませんか?実は中世においても数多くの神話が生まれます。いわゆる「中世日本紀」という世界です。『日本書紀』などに見られた神話にアレンジを加えてみたり、時にはオリジナルの神話を新たに作り出したりもするのです。しかも、これらの神話は特定の作品だけで語られるのではなく、様々な作品の中に埋め込まれており、それこそみなさんご存知の『平家物語』の中にも中世た なか なお こ田中 尚子 教授日本文学STUDENT VOICE人文学履修コース昼間主コースおぐり たかあき小栗 孝明広島県立呉三津田高等学校出身日本文学の多様な研究について 高校で学んだ日本文学の世界をさらに深いところまで学べるのが日本文学ゼミです。卒業論文の研究分野もゼミ生ごとに多様です。過去には漫画やアニメなどのサブカルチャーを研究対象に含めて論文を書いた人もおり、自分の「好き」を極められます。そうした多様な研究に触れることで、1人では気づけなかった新たな視点に気づくこともできます。みなさんとも日本文学の世界について共に語り、学びを深めていきたいです。日本文学と向き合う 日本文学ゼミでは自身の興味関心に基づいて作品を読み込み、考えを深めることができます。特に演習の講義では学生同士での意見交流を行うため、自分とは異なる視点を持つゼミ生の多様な考えを取り入れられます。作品を読んで感じたことや疑問に思ったことなど自身の解釈を掘り下げて研究に繋げる、という楽しさが日本文学ゼミでは味わえます。皆さんも自身の探求心の向くままに、日本文学と向き合ってみませんか?神話が作る中世という時代

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