連合農学研究科要覧2023
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004The United Graduate School of Agricultural Sciences 〈求める入学者像〉 農学は、生物学、化学、物理学、工学、経済学、バイオテクノロジーなど、幅広い学問領域を結集・総合化し、学際的な観点を包含しながら、自然と人間社会が調和した持続可能な関係を築いていく必要があります。従って、既存の学問の枠組みにとらわれることなく幅広い知識と柔軟な発想力によって、生物機能への理解を深め、生物生産力の向上と生産物の効率的利用を図るとともに、地域的な視点からのみならず、地球規模での環境の保全を見据えた将来の農業のあり方を探求する人材を求めています。 愛媛大学大学院連合農学研究科(後期3年のみの博士課程)は、このような考えに基づき、「生物資源生産学」、「生物資源利用学」、「生物環境保全学」の3専攻を設け、国内の大学院修士課程からの進学を受け入れるだけでなく、2つの「留学生特別コース」を設け、当該諸国・地域における特有の研究テーマを追究する優秀な留学生も受け入れます。 農学は、人類の豊かな生活を維持・向上させるとともにそれを可能にする環境・生態系の保全・改善に欠くことが出来ない将来性豊かな学問領域です。さまざまな観点から農学にチャレンジし、これからの社会をリードしていこうという意欲のある人の応募を期待しています。 熱帯・亜熱帯農学留学生特別コースは、熱帯・亜熱帯における生物資源の生産と利用、及びそれを支える環境に関する諸科学の研究教育を目的としています。主としてこれらの地域を中心に世界各国において研究あるいは教育に従事している優秀な中堅科学者を対象として受け入れ、それぞれの国の将来を担う高度な研究者及び技術者を養成します。 アジア・アフリカ・環太平洋(AAP)農学特別コースは、修士課程からの一貫教育により、諸外国の大学卒業者又は卒業予定者を対象として受け入れ、より高度な研究者や技術者となりうる人材を育成します。 科学と技術を取り巻く環境は、近年急激な変化と発展を見せている。農学の分野もその例外ではない。農学が果たす役割は、伝統的な生物資源の生産に止まらず、人間を含めた生物の生存環境の保全、流通システム、バイオテクノロジーなど多様な分野に拡大し、情報科学や各種の先端技術が取り入れられている。こうした新しい状況に対応するためには、個性的かつ創造的で、高い能力を有する研究者の養成が必要とされ、大学院教育の拡充が急務となっている。本研究科は、このような要請に応えるため、1985年4月に開設された「後期3年のみの博士課程大学院」である。 連合農学研究科は、愛媛、香川及び高知の3大学によって構成され、各大学の修士課程である、大学院農学研究科(愛媛大学、香川大学)及び大学院総合人間自然科学研究科農林海洋科学専攻(高知大学)と連結することによって、個々の大学のみでは期待し難い広い分野にわたり、水準の高い教育・研究を行うことを可能ならしめる組織である。本部を愛媛大学(農学部)に置き、生物資源の生産と利用に関する諸科学について高度の専門的能力と豊かな学識、広い視野をもった研究者を養成する。 2002年4月には、本研究科と高知県(海洋深層水研究所)との連携による連携大学院が設置され、社会的貢献度が一層高まっている。 本研究科は、外国人留学生も多数受け入れている。1990年には、発展途上国からの農林水産分野における人材養成の強い要望に応えるため、諸国の研究者を文部科学省奨学金支給制度により受け入れる「熱帯・亜熱帯農学留学生特別コース」を設置した。また、2002年10月から、愛媛大学大学院農学研究科、香川大学大学院農学研究科及び高知大学大学院総合人間自然科学研究科農学専攻修士課程(現:アジア・アフリカ・環太平洋特別コース)から本研究科へ接続するアジア・アフリカ・環太平洋農学特別コースも新たに設置した。外国人留学生は研究科修了後、科学・技術の進歩と母国の発展に寄与することが期待されており、現在、国際的な分野で研究が行われている。 なお、論文博士制度により、日本並びに諸外国の研究機関において農学及び関連分野の研究に従事する優れた研究者についても、課程修了者と同様、博士号取得の機会を与える。設置の趣旨・目的アドミッションポリシー設置の趣旨・目的・3つのポリシー

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