細胞から個体まで生物の形の不思議を解明する動物発生学分野では、アフリカツメガエルの変態期に起こる各器官の組織変化について形態学的、あるいは細胞学的側面から調べています。進化形態学分野では、昆虫の胚を用いてその発生様式と進化を明らかにする比較発生学的研究や、脊椎動物の脳の起源と多様化に関する進化発生学的研究を行っています。植物形態学分野では、植物ホルモン、環境応答や木化のしくみ、細胞骨格などについて顕微鏡観察や生化学的・分子生物学的手法により研究しています。広い視野で環境と生物群集との関係や進化を考える生態・進化学分野では、森林や河川、沿岸域といった野外における生物間関係や生物と環境との関係を解き明かす生態学研究に取り組んでいます。環境毒性学分野では、魚類・鳥類・水棲哺乳類など多様な動物種を対象に、環境汚染物質による毒性影響やその分子機構の解明とリスク評価に取り組んでいます。左:コーンスネーク胚の神経系右:サイコクカマアシムシの後期胚生物学コースの教員の研究分野は、主に3つの領域からなっています。それぞれの領域では、独自の視点に立った研究はもちろんのこと、他の領域との境界となる分野の研究も行われ、全体としては分子から個体、あるいは生態系にいたるまでのさまざまなレベルでの研究が行われています。この研究体制は、そのまま学生に対する教育にも生かされています。すなわち、学生は分子から生態系、あるいは微生物および植物や動物といったさまざまな側面からのアプローチによる生物学を学ぶことができ、それにより自然、生命についての豊富な知識を得ることができます。また、自然と人間とのかかわりについても、高度な専門的知識を得ると同時に包括的な理解を深めることができます。生物が生きのびるために刺激に反応するしくみを探る植物生理学分野では、植物が乾燥や高温・低温、塩害などの環境に適応する仕組みや、植物の体作りを制御する仕組みについて、進化的観点も交えて研究しています。シロイヌナズナやゼニゴケなどを用いて、生理化学的、分子生物学的およびゲノム科学的手法により研究を進めています。生態毒性学分野では、化学物質をはじめとした様々な環境要因が水生生物に及ぼす影響について研究しています。生殖器官をつけたゼニゴケ(左:雄株、右:雌株)川の中の景色(生物学コース)理学部HPコースHP15Biology主な研究分野形態形成領域生態・環境領域生理・適応領域 分子レベルから生態系にいたる、生命現象を包括的に理解する。生物学コース
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