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愛大学生コンピテンシー

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本学は、2012(平成24)年7月の教育研究評議会において、「愛媛大学学生として期待される能力~愛大学生コンピテンシー~」(Ehime University Competencies Standards for Students: EUCS-S、以下「愛大学生コンピテンシー」)を定めました。

概要

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一般的に「コンピテンシー」(competency)とは、「高い成果を生み出せる人が持っている行動特性」と定義されていますが、本学では「愛大学生コンピテンシー」を「学生が卒業時に身に付けていることが期待される能力」と定義しました。
これは、到達目標である学位授与の方針(ディプロマ・ポリシー:DP)とは異なり、本学学生の方向目標(目指すべき方向)であり、本学の教職員は、学生が「愛大学生コンピテンシー」の構成要素に掲げる具体的な能力を身につけていくため、学生に積極的に関与していきます。

愛大学生コンピテンシー解説 (PDFファイル 309KB)

制定当時の理事・副学長(教育担当)による解説(大学教育実践ジャーナル第11号(2013年3月発行)P1~10に掲載)

愛大学生コンピテンシーの特徴

  1. 全学規模で学生のコンピテンシーを明確にし、今後の教育改革の戦略策定や本学の教育・学生支援活動の指針として位置づけている
  2. コンピテンシーを育成する場として、正課教育・準正課教育・正課外活動の3つの場を明確化し、全ての教員・職員が関与することを明示している
  3. 学部DPや学士力など学内外で指摘されている点を包含しながらも、本学独自の構成要素として「Ⅳ.自立した個人として生きていく能力」や「Ⅴ.組織や社会の一員として生きていく能力」の2つの能力を設定している

 

各能力の解説

Ⅰ知識や技能を適切に運用する能力

この能力は、知識や技能を単に獲得・記憶するだけではなく、それらを整理し、自分の中で関連づけ、適切に表現(記述・口述)するといった段階まで含めた知的能力の総体として表されるものです。

【具体的な力1】必要な情報を収集・整理できる

必要な文献・資料を読んだり、実験や調査、観察を行うことによって、知識の材料を収集し、整理する力のことです。インターネットの普及によって、情報を収集することが容易になりました。その一方で、膨大な情報の中から、正確で、質の高い情報を収集する力を身につけることが求められます。そして収集した情報を、きちんと整理することで、様々な場面で活用することが可能になります。

【具体的な力2】個別の知識や技能を相互に関連づけながら習得できる

収集・整理した情報や授業を通じて得た知識、習得した技能を相互に関連づけて、状況に応じて使いこなせるようにすることが求められます。実験や実習、調査や観察、文献講読など単に断片的に行うだけでは、本当の意味で知識や技能を獲得したことにはなりません。学んだことを自分の中で相互に関連づけ、可能な限り体系化することによって初めて、それらを習得したと言えます。

【具体的な力3】習得した知識や技能を基に自分の考えを組み立て、適切に表現(記述・口述)できる

習得した知識や技能が本当の意味で自分のものとなったと言えるのは、それを自分の中できちんと体系化し、適切に表現できるようになった時です。分かっているけれども表現できないのでは、本当の意味で分かったとは言えません。自分が得た知識を基に、論理的な筋道を立てて、相手が理解しやすい適切な方法で表現する力が求められます。この力を身につけることが出来て、自分の学習の成果が統合されたと言えます。

 

Ⅱ論理的に思考し判断する能力

この能力は、獲得した知識をそのまま受け入れるのではなく、常に批判的・創造的に思考し、自分なりの課題を発見し、解決策を提示するといった段階まで含めた認知能力の総体として表されるものです。

【具体的な力4】広い視野と論理的思考に基づき分析・解釈できる

(例:クリティカル・シンキング/創造的思考)
様々な情報を収集・整理し、それを相互に関連づけ、広い視野から論理的に考えて、対象を分析・解釈します。この力は知識や技能の運用と一体化して働くものです。例えばクリティカル・シンキングとは、既存の学問的知識の体系や枠組みも考慮しながら、客観的根拠に基づいて対象を多面的に考察し、論理的に思考することです。こうした力を身に付けることによって、他者を納得させることが出来るようになります。

【具体的な力5】科学的根拠に基づき判断し、解決策を提示できる

(例:意思決定・判断力/課題探求・発見・解決力)
学問研究においてはもちろんのこと、社会生活においても、私たちは常に「意思決定」を求められ、「判断力」を発揮しなければなりません。そして、自立した個人として生きるためには、意思決定の根拠をきちんと認識し、客観的に正当なものであることを示すことが求められます。そのためには、自分の置かれている状況を正しく認識し、そこにある課題を見つけ出し、その課題を解決する方策を考え出す力が必要です。

 

Ⅲ多様な人とコミュニケーションする能力

この能力は、様々な状況(場面・相手)に応じて適切な対話・討論を行うことや、目的を達成するために協調したりリーダーシップを発揮したりすることなど、コミュニケーション能力の総体として表されるものです。

【具体的な力6】様々な状況に応じて適切な対話・討論ができる

(例:ダイアローグ/ディスカッション/プレゼンテーション)
グローバル化が進展する現代社会において、様々な文化的背景を持った人々が、チームを組んで課題に取り組むということは日常化・一般化してきています。そうした状況に柔軟に対応するためにも、正確な日本語運用能力や外国語運用能力、ビジネス・マナーといった狭義のコミュケーション・スキルの獲得のみならず、知の運用能力や思考・判断力も身につけながら、適切な対話や討論を行う力が求められています。

【具体的な力7】目的達成のために多様な人と協働できる

(例:協調性/チームワーク/リーダーシップ)
個々人が自己を実現するためには、多くの人と互いに協力し合って、協調し、チームを組み、適宜リーダーシップを発揮し合いながら目的を達成していくことが必要です。こうした力は机上で身につけることは出来ません。実際に多様なメンバーでチームを編成し、その中で様々な活動を行い、対話・討論の力やチームワークを発揮しながら目的を達成するという経験を数多く重ねることが必要です。

 

Ⅳ自立した個人として生きていく能力

この能力は、経験したことや学んだことを振り返ることで自らの個性や適性を把握し、それを社会的な関係の中で調整しながら、最大限活かして行動するなどアイデンティティの確立を中核として表されるものです。

【具体的な力8】自らの個性や適性を活かして行動できる

(例:自己理解/自己決断/リフレクション)
個々人が自己を実現するためには、まず自らが置かれている社会的状況の中で、自分自身の個性や適性を十分に理解することが大切です。そして、自分には何ができるのか、何がしたいのか、何をすべきかなど決断していきます。そのために最も重要な営みが「振り返り(リフレクション)」です。自身の経験や学んだことを振り返ることで、深い自己理解が促され、そこを核としながら主体的に行動していくことが可能になります。

【具体的な力9】社会的関係の中で自分の行動を調整できる

(例:順応性/セルフマネジメント/規範遵守)
この力は「具体的な力8」と対になっています。自分の個性や適性を見極め、行動する力を獲得するだけでは不十分です。人は社会的存在であり、社会(他者)との関係の中で自分の能力を最大限に発揮していかなければなりません。社会には様々なルールや制約があり、自分が所属する組織や集団においても同様です。限られた資源や制約の中で、所属組織のルールを遵守・順応し、自分の行動を調整していくことが求められます。

 

Ⅴ組織や社会の一員として生きていく能力

この能力は、自らの持つ知識や技能、適性などを他者や組織、社会のために役立たせようとすること、実際に行動し役立てること、それらに誇りを感じることなど社会貢献に対するマインドの総体として表されるものです。

【具体的な力10】他者を理解し、他者のために役立つことができる

(例:「お接待」の心/ホスピタリティ)
組織や社会の一員として生きていくためには、まずはそのメンバーとして共に生きる人たちを理解し、互いに助け合うことが必要です。そして、自分や他者を理解するだけではなく、他者に役立つためには何ができるか考え、行動を起こすことが大切です。愛媛は、お遍路さんたちを「お接待」するという伝統を持つ地です。たとえ小さなことでも、他者の幸せのために行動できる心と実践力を身につけることが求められます。

【具体的な力11】集団・組織の一員として自覚と誇りをもって行動できる

(例:責任感/連帯感/帰属意識/愛校心)
集団や組織は、構成員それぞれが責任と自覚を持って行動し、役割を果たすことによって初めて機能します。根拠に基づき状況を把握し、他者との対話や協働を行いながら、課題を見極め、解決策を考え、行動に移していきます。そのことによって、所属している集団や組織をより良いものにしていくことができます。その結果として、自分が所属している社会や組織、そこに所属している自分自身に対して誇りを持てるようになります。

【具体的な力12】地域の課題を、地球規模で考え、解決に向けて貢献できる

(例:社会貢献/グローカルマインド)
社会的存在としての人間が、現代社会において果たすべき役割を改めて提示したものです。“Think globally, Act locally”という言葉でも表されるように、目の前にある課題を地球規模で広く深く考えながらも、地域に根差して行動する。そして解決に向けて自分なりにできる最善を尽くす。そうした志と力を身につけることによって、どのような地域・社会においても最良のパフォーマンスを発揮することが可能になります。

 

教職員の能力開発

本学では、「愛大学生コンピテンシー」を高める上で、組織的な教員の能力開発(ファカルティ・ディベロップメント:FD)及び職員の能力開発(スタッフ・ディベロップメント:SD)は必要不可欠と考えており、全学的に取り組みを強化しています。特に組織の整備・改革や準正課教育(学生支援)における職員の関与・能力開発(SD)が、「愛大学生コンピテンシー」を高める上で重要な役割を果たすと考えています。

 

愛媛大学におけるFDの定義(愛媛大学教育学生支援会議決定事項/2007年)

FDとは、教育・学習効果を最大限に高めることを目指した、
1.授業の改善、2.カリキュラムの改善及び、3.組織の整備・改革への組織的な取組みの総称のことである。

 

愛媛大学における職員人事・人材育成ビジョン(2007年4月)

1. 求められる職員像(「学生」・「地域」から信頼される職員)
「学生中心の大学」、「地域に根ざす大学」を目指す本学では、職員が常に学生・地域住民と同じ目線に立ち、連携・協働による大学づくりを進めていく必要があります。「学生支援」「地域貢献」を先導的に行う職員には、学生、地域住民の模範となる社会的常識と高い倫理観が求められます。