教職員の能力開発(SD/FD)について
愛媛大学憲章に掲げる理念を実現するためには、教職員の能力開発が不可欠です。教職員の能力開発はSD(スタッフ・ディベロップメント)およびFD(ファカルティ・ディベロップメント)と呼ばれます。教職員の能力開発は、愛媛大学の発展につながるだけでなく、職場が教職員にとって働きがいと誇りを持てる場所となり、ひいては、教職員自らの人生を豊かにすることにつながります。
これまで愛媛大学は、他大学を先導する形で教職員の能力開発を進めてきました。その実績が認められ、教育・学生支援機構教育企画室は文部科学大臣から教育関係共同利用拠点(拠点名称:教職員能力開発拠点)として認定を受けています。また、四国地区教職員能力開発ネットワーク(SPOD)の代表校として、四国の大学や高等専門学校の教職員の能力開発を推進しています。
これまでに愛媛大学が実践してきたSDおよびFDの実績と大学設置基準におけるSDとFDの定義を踏まえて、愛媛大学ではSDおよびFDを定義しています。下記に示す定義は、2019年2月開催の教育研究評議会において了承されたものです。これらの定義のもとで、愛媛大学憲章に掲げた大学の理念の実現に向けて、SDおよびFDの活動とその支援体制を充実させます。
1.愛媛大学のSD の定義と主な取組
定義
愛媛大学憲章に掲げる教育、研究、社会貢献、大学運営の各理念の実現と個々の自己実現を目指した、執行部を含むすべての教職員のキャリアの各段階における能力開発の組織的な取組の総称(ただし、2.のFDの取組を除く。)
主な取組
新任教職員研修
スタッフ・ポートフォリオ作成ワークショップ
外部研究資金獲得法
研究者倫理
人権講習
SDスキルアップ講座
IRer養成講座
管理職員研修
トップリーダー研修
次世代リーダー養成ゼミナール
外部研修等への参加支援・他機関との交流人事の促進
2.愛媛大学のFD の定義と主な取組
定義
愛媛大学憲章に掲げる教育の理念の実現を目指した、授業の改善、カリキュラムの改善、教育・学生支援体制の整備・改革への組織的な取組の総称
主な取組
新任教員研修会
授業デザインワークショップ
ティーチング・ポートフォリオ作成ワークショップ
授業コンサルテーションの実施
教員相互・同僚による授業参観
メンタ―による授業参観
授業評価アンケートや各種アンケートの分析と公開・改善
カリキュラムコンサルテーションの実施
FDer養成講座/IRer養成講座/カリキュラムコーディネーター養成講座
教育コーディネーター会議の設置及びその役割・権限の検討
愛媛大学教育改革促進事業(愛大教育改革GP)シンポジウム
FDマップ
愛媛大学教育企画室では、豊富で多様な教員向け能力開発プログラムやサービスを提供しています。こうした各種プログラム・サービスは、全学能力開発体系図(FDマップ)に整理されています。各教員は自らのキャリアや能力にあわせて、必要な内容を必要な段階で学習することが可能です。本学のFDマップは、国立教育政策研究所FDer研究会が作成したFDマップの枠組みを使用しています。
教育関係共同利用拠点制度は、多様化する社会と学生のニーズに応えつつ質の高い教育を提供していくために、各大学の有する人的・物的資源の共同利用等を推進することを目的として創設された制度です。教育・学生支援機構教育企画室は、2010年3月に文部科学大臣から教育関係共同利用拠点(拠点名称:教職員能力開発拠点)として認定されました。その後、それまでの実績や他大学への波及効果等が認められたことにより2度の再認定を受け、2020年4月から第3期を迎えています。全国の高等教育機関に対する教職員の組織的な研修等の実施機関として、大学運営を推進する専門家や実践的指導者の養成とその支援を行っています。
新任教員などの初期キャリアの教員の能力開発を一層促進するために、教員の多面的な能力開発プログラムを提供しています。PDプログラムは、①教育能力開発、②研究能力開発、③マネジメント能力開発の3分野に分かれています。新規採用の教員等は、テニュア教員育成期間中の最初の3年間で合計100時間のプログラムを受講します。加えて重点的な財政支援を受けることもできます。教育研究環境を充実させ、大学教員としての自立を促進するとともに、総合的な業績評価によりその質を担保しています。
愛媛大学では教育の質を高めるために、組織的な教育改革に取り組んでいます。大学全体が有機的につながりながら教育改革を推進する教育コーディネーター制度、優れた教育改革プログラムへの教育経費重点配分する愛媛大学教育改革促進事業などが代表的な取組です。それらの取組は教職員の能力開発にもつながっています。
「事務系職員人事・人材育成ビジョン」では、職員のうちとりわけ事務系職員が、本学の運営に資する能力を高め、各々が理想とするワークライフバランスを実現し、その能力を十分に発揮できるよう人事マネジメントを構築することを目指しています。
また、本学における「求められる職員像」を設定し、組織の目標達成に貢献できる人材を育成することを目指しています。
「四国地区大学教職員能力開発ネットワーク」(SPOD)は、四国地区の国公私立大学・短期大学(四国地区に一部の学部等を置く大学を含む)および高等専門学校によって構成されています。代表校は愛媛大学です。4県に位置するネットワークコア校を中心に、加盟校が協力・連携して、教職員の能力開発に取り組んでいます。2009年から毎年開催されるSPODフォーラムでは、職場や授業での実践に活用できるさまざまなSD・FDプログラムが行われており、四国地区以外の教職員にも多数参加いただいています。