愛媛大学オープンアクセス方針

愛媛大学オープンアクセス方針

令和3年11月17日 制定
令和4年4月1日施行

(趣旨)
1. 愛媛大学(以下「本学」という。)は、「愛媛大学憲章」に基づき、研究成果を国内外に広く発信することにより、学術研究のさらなる発展とイノベーションの創出に寄与するとともに、研究成果の透明性を確保し、社会に対する説明責任を果たすことを目的として、オープンアクセスに関する方針を以下のように定める。

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  • オープンアクセスとは
    オープンアクセスとは、インターネット等の手段により、研究成果を、誰もが制限無く、無料で利用できるようにすることです。
  • 本方針の趣旨
    本学は「愛媛大学憲章」に基づき、本学における研究成果を国内外に広く発信してオープンアクセスを推進します。
    大学での研究成果などの学術情報は、今までは少人数の専門家が利用するものでしたが、オープンアクセスを進めることで、より広い範囲から利用いただき、本学の研究成果を、より多くの方々に知っていただくことにつながります。
    そのことにより、研究をさらに発展させること、イノベーション創出を促すことが期待でき、また、研究成果の透明性を確保し、社会に対する説明責任を果たすことが可能になります。
    本方針は、本学の研究者の自発的な研究成果発信を促すものであり、研究者の意思に反して研究成果の公開を強制するものではありません。

(研究成果の公開)
2. 本学は、出版社、学会及び学内各部局が発行する学術雑誌等に掲載された本学の研究者の研究成果を、愛媛大学機関リポジトリ(以下「リポジトリ」という。)等によって公開する。ただし、研究成果の著作権は、本学には移転しない。

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  • 対象となる研究成果
    本方針が対象とする研究成果は本学の研究者による論文を主に想定しており、原則として本学のリポジトリ※1により公開します。
    図書、研究報告書、日常的な教育・研究活動の中で生み出される文書、講義ノート、教材などについても、リポジトリへ登録することができます。
    個々の部局、研究分野の状況により、対象となる研究成果の範囲については、柔軟にご対応いただくことが可能です。
    ※1 機関リポジトリ(Instututional Repojitory)
    大学・研究機関が、自機関とその構成員の研究成果をデジタル資料として収集・蓄積・保存し、広く提供するシステム
    参考:機関リポジトリの活用による情報発信機能の強化について(文部科学省Webサイト)
    愛媛大学では、図書館が愛媛大学機関リポジトリを運営している。
  • 著作権(公開の許諾)
    著作者が研究成果をリポジトリにより公開する場合、無償公開のみを許諾することになり、後述する「愛媛大学機関リポジトリ管理運営要項」の規定上においても、著作権については著作権者のもとに留保されるものとしています。
    リポジトリへ登録する研究成果の著作権が複数の方に帰属する場合は、すべての共著者から、本学のリポジトリで公開することについて、事前に許諾を得ていただく必要があります。
  • 著作権(公開する版の違い)
    学術雑誌に掲載するために、著作権を出版社・学協会等に譲渡する必要がある場合、実際に雑誌に掲載された「出版社版」の論文は、通常、他の方法での公開が制限されています。しかし、受理(accept)された時点の「著者最終稿」は、制限が課せられるケースもありますが、多くの場合は、著者の所属する機関のリポジトリで公開することができます。
    公開が可能な版については、投稿規定等の定め、または出版社・学協会等から提出が求められる著作権譲渡に関する契約書または許諾書等で確認することができます。
  • 著作権(出版社に著作権がある場合)
    出版社側に著作権がある論文について、どの時点の版をリポジトリで公開することができるかは、雑誌ごとに条件が異なります。多くの場合は、「出版社版」の公開は不可となっていて、「著者最終稿」についても、制限付での公開としているケースが多くなっています。よくある制限にエンバーゴ(公開猶予期間)を設定するというものがあります。出版社での論文の公開・出版から、半年間~数年間(多くは1年間)の経過後に、リポジトリでの公開を認めるものです。
    雑誌ごとのリポジトリ登録に対する出版社等の方針については、以下のサイトで確認できます。
    海外出版社・学協会:Sherpa Romeo
    日本国内:SCPJ(学協会著作権ポリシーデータベース)

(適用の範囲)
3. 本方針は、施行日以降に公表された研究成果に適用するものとし、施行日前に公表された研究成果についても公開を推奨する。ただし、施行日前に本方針と相反する契約を締結した研究成果には、本方針は適用しない。

(適用の除外)
4. 本学は、著作権及び知的財産権等の理由、その他研究遂行上の支障等の理由により公開が不適切であると判断される場合は、当該研究成果を公開しない。

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  • 適用の範囲(適用の不遡及・公開の推奨)
    本方針の施行日前に公表された研究成果については、すでに締結された契約等が本方針に相反する事例等も想定されますので、遡及的には適用しないこととします。ただし、そのような、本方針に相反する理由がなければ、施行日前に公表された研究成果についても、積極的な公開を推奨します。
  • 非公開となる場合
    学内外からの指摘があり、図書館委員会で研究成果の公開が不適切であると判断した場合は、研究成果を非公開とするとともに、その理由を研究者本人に通知します。
    公開が不適切である場合として、以下のようなケースが想定されます。
    (1)出版者等に著作権を譲渡しており、著作権者によりすべての版の公開が許諾されない場合
    (2)研究成果が個人情報やプライバシーに関する情報を含み、不特定多数への公開が研究倫理上問題があると判断される場合
    (3)研究成果に捏造、改ざん、盗用等が含まれる場合

    研究者本人が公開しないと判断した研究成果について、学内外からの問合せがあった場合は、研究者本人が非公開の理由について説明するものとします。あらかじめ、非公開とする理由を付してリポジトリへの登録申請を行うことにより、リポジトリ管理担当者が問合せへの説明を代行することができます。

(リポジトリへの登録・公開等)
5. 研究成果のリポジトリへの登録・公開、公開後のデータ利用等に関する事項の取り扱いについては、「愛媛大学機関リポジトリ管理運営要項」に定めるところによる。

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  • リポジトリへの登録
    リポジトリへ登録する研究成果については、「愛媛大学機関リポジトリ規程」に定めており、具体的なリポジトリの運用は「愛媛大学機関リポジトリ管理運営要項」によります。
    なお、リポジトリへの登録申請者が当該研究成果の著作権を有している場合は、クリエイティブ・コモンズ・ライセンス(CCライセンス)※2を付与することができます。
    紀要等の学内刊行物については、投稿規定等でリポジトリ公開することが、すでに定められているものも多数あります。最新号発行の都度、各論文などがリポジトリに収録されますので、該当する学内刊行物については、研究者が個別に登録申請を行う必要はありません。
    ※2 クリエイティブ・コモンズ(CCライセンス)
    著作者自身が、利用の条件を明示することで、著作物の適正な再利用の促進を目的とする活動。
    日本では「クリエイティブ・コモンズ・ジャパン(CCJP)」がCCライセンスの普及を行っている。

    参考:
    CCJP組織概要(Creative Commons Japan Webサイト)
    クリエイティブ・コモンズ・ライセンスとは(Creative Commons Japan Webサイト)
    自身のコンテンツにCCライセンスを付与する(Creative Commons Webサイト))

(その他)
6. 本方針に定めるもののほか、オープンアクセスに関する必要な事項は、関係者間で協議して定める。

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  • オープンサイエンスの進展により、本方針の実施において、新たな状況への対応が必要となることも想定されます。
    本方針の実施にあたり、定めのない事項、あるいは、新たに調整が必要となった場合には、必要に応じて研究者、学内関連部署および学協会・出版社等の外部機関等の関係者間で協議して決定します。

附 則
本方針は、令和4年4月1日より施行する。

問い合わせ先

図書館事務課学術情報チーム

Mail:libsys@stu.ehime-u.ac.jp

TEL:089-927-8841