学長紹介
愛媛大学の目標・計画
寄附をお考えの方へ
メッセージ
現在、少子化とそれによる人口減少、地球環境問題の深刻化という中長期的課題に加えて、頻発かつ激甚化する自然災害、さまざまなウイルスによる感染症リスクなど、本質的かつ深刻な問題が私たちの前に立ちはだかっています。また、ロシアによるウクライナ侵攻などによって、「世界が共有できるはずだった価値観」が失われつつあります。今後、人類は、人類及び地球上のすべての生物種の永続のために、あらゆる方策に取り組む必要があります。
愛媛大学は、地域に立脚する国立大学として、有為な若年人材の輩出と学術の振興という大学としての基本機能に加え、地域産業のイノベーションへの参画、産学官金民連携による新産業の創出、社会人へのリカレント/リスキリング教育、地域のDX推進を担うデジタル人材の育成、地域文化の再評価と発信など、さまざまな取組みによって地域創生に貢献していきます。また、コロナ禍で停滞した諸外国との学生及び研究交流の再活性化、SDGs、GX(Green Transformation)、ダイバーシティなどの推進にも取り組んでおり、働き方改革にも繋がる労働生産性の向上、Well-beingなど新たな価値観の創造にもチャレンジしていきます。
私の考える愛媛大学の基本方針は、「全世代対応型の『地域における知の拠点』としての多機能化を進め、Sustainableな社会、Resilientな地域社会の構築に貢献する」ことです。そのため、構成員及び意思決定のダイバーシティを進め、社会の変化やステークホルダーからの期待をセンシティブに認識し、大学として必要な対応策にタイムリーに取り組むことが必要です。
令和6年4月には、全学的機能を担う「機構」について、これまでの4機構を、6機構(未来価値創造機構、教育・学生支援機構、研究・産学連携推進機構、地域協働推進機構、国際連携推進機構、デジタル情報人材育成機構)と2院(先端研究院、イノベーション創出院)に再編しました。新たに設置した「未来価値創造機構」は、大学が社会における「知」を扱う組織であることを鑑み、中期的未来における「新たな価値」を社会に先行して議論、創造し、その価値観を社会に発出することを第一義的目的としました。「研究・産学連携推進機構」は、本学の学術研究を推進するとともに、その研究成果を社会に還元し、新たな研究資金獲得の好循環を創出することを目的としました。「地域協働推進機構」は、本学の文系から理系まで幅の広い学術領域における教育・研究の成果を積極的に活用して、行政や地域の諸課題の解決に率先して取り組み、地域及び地域ステークホルダーとの協働を推進することを目的としました。
最後に、今後、愛媛大学が「目指すべきもの」を以下に示します。少し長めですが、本学の「ビジョン」と考えていただいても構いません。
愛媛大学は、地方国立大学として、人材育成力、卓越研究力、国際連携力、地域協働力を向上させ、社会にインパクトを及ぼし続ける大学を目指します。具体的には、価値観が大きく変容する中期的未来における社会の在り方を探求しつつ、それぞれの学術領域での専門力と柔軟な発想に繋がる教養力を有する次世代人材を育成し、イノベーションの創出にも繋がる卓越した研究力を発揮します。また、ダイバーシティにも繋がる留学生の受入れ・学生の海外派遣・国際共同研究の推進、さまざまな世代の学ぶ意欲の向上や地域・地域産業の活性化を目的としたステークホルダーとの協働、地域医療の展開など健康社会構築への貢献、社会に評価されることで獲得する資金による経営力の強化によって、すべての人が等しく活躍できる21世紀の地方国立大学のリーダーとなることを目指します。
これからも、愛媛大学、そして、愛媛大学のさまざまな取組みにご理解とご支援をいただきますよう、心からお願い申し上げます。
愛媛大学長 仁科 弘重
プロフィール
生年月日 | 1954年生まれ |
学 位 | 農学博士 |
略 歴 | 1998年4月 愛媛大学農学部教授 2011年4月 愛媛大学農学部長(2015年3月まで) 2012年4月 愛媛大学植物工場研究センター長(2020年3月まで) 2015年4月 愛媛大学理事・副学長(2021年3月まで) 2017年10月 日本学術会議会員(2023年9月まで) 2021年4月 愛媛大学長 |
専門分野 | 農業環境工学、植物工場 |