イベント
愛媛大学先端研究院(PIAS)では、令和7年8月1日(金)に、標記セミナーを開催します。
本セミナーは、研究者以外の方にも分かりやすく説明することを心がけていますので、専門的な予備知識がなくてもご参加いただけます。
皆様のご参加をお待ちしております。
日時
令和7年8月1日(金)16:00~16:30
演題
昆虫の左右の羽の超微細構造は、それぞれ右巻きと左巻き
講演者
愛媛大学 先端研究院 地球深部ダイナミクス研究センター
井上 紗綾子 助教
開催方法
Zoomを用いたオンラインセミナー
申込方法
チラシの二次元コードで表示されたサイト上の参加登録フォーム、または以下のフォームからお申し込みください。
(注)参加登録フォームにてご登録いただいたメールアドレスに折り返しZoomの詳細情報をお送りします。【@stu.ehime-u.ac.jp】ドメインからのメールが受信できる状態にしてください。メールが届かない場合は、以下のお問い合わせ先までご連絡ください。
要旨
昆虫は左右で対になった翅をもち、その微細構造は昆虫翅の多機能性と関係して調べられてきました。しかし、左翅と右翅の微細構造の比較はあまりされてきませんでした。なぜなら、翅の微細構造はマイクロメートル(1mmの千分の一)スケールであり、高い空間分解能での解析が必要となるためです。
井上助教らの研究チームでは、モンスズメバチの左右後翅の微細構造を高い空間分解能をもつ電界放出型走査電子顕微鏡により観察し、翅表面を覆う長さ100 µm(マイクロメートル)直径6 µmの棘状の毛の表面に螺旋状の溝があることを明らかにしました。螺旋状の溝には左巻きと右巻きがあり、後翅の前縁部分では左翅では右巻き、右翅では左巻きの螺旋模様が卓越していることが明らかになりました。棘を構成するタンパク質の高次構造を、研究チームメンバーが開発した100 µmの空間分解能を持つ顕微スキャン型多次元赤外円二色性分光装置にて解析したところ、左翅と右翅の棘はそれぞれ右手型と左手型のタンパク質高次構造をもつことが示されました。本研究の結果は昆虫の左右非対称性の形成がタンパク質高次構造により制御されていることを示唆しています。
本研究で行ったような高空間分解能での昆虫翅の左右非対称性の解析はこれまで行われてきませんでしたが、本研究の結果は、他の昆虫翅においても同様の関係が発見される可能性を示すもので、今後の検証により生物の形態の左右非対称性がどのように作られるのかが明らかになると期待されます。
本研究成果は、英国王立化学会の科学雑誌「Physical Chemistry Chemical Physics (PCCP)」に2025年6月13日に掲載されました。
愛媛大学 先端研究院 先端研究高度支援室
E-mail:pias_adm@stu.ehime-u.ac.jp
イベント概要
開催場所 | オンライン |
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対象 | どなたでも |
開催方法 | オンライン |