隠れた新種「ヒスイコアオハナムグリ」の存在をDNA解析と形態比較から解き明かす
愛媛大学ミュージアムの吉田貴大准教授と東京都立大学理学研究科博士課程の瀬島勇飛さんの研究グループは、宮古諸島の多良間島および水納島から得られたコガネムシ科ハナムグリ亜科の甲虫が新種であることを突き止めました。日本から狭義ハナムグリ亜科の新種が発見されたのは、実に約半世紀ぶりとなります。
日本産コアオハナムグリ属の統合分類学的研究の結果、新種ヒスイコアオハナムグリを発見・記載し、南琉球の亜種群を独立種イシガキコアオハナムグリとしました。これにより、日本産の種数は2種から4種に倍増しました
本研究の成果は、令和7年10月9日にZootaxa誌に掲載されました。
研究のポイント
- 日本国内から、約半世紀ぶりに狭義ハナムグリ亜科の新種を発見
- これまでオキナワコアオハナムグリの亜種とされていた南琉球の個体群が独立種であることを解明
論文情報
掲載誌:Zootaxa
題名:Taxonomic study of the flower chafer genus Gametis Burmeister, 1842 (Coleoptera: Scarabaeidae: Cetoniinae) in Japan, with a description of a new species from Tarama-jima Island and Minna-jima Island, the Miyako Islands, southwestern Japan
(宮古諸島の多良間島および水納島から新種の記載を伴う日本産コアオハナムグリ属の分類学的研究)
著者:Yûhi Seshima, Takahiro Yoshida
DOI:10.11646/zootaxa.5706.1.5