プレスリリース

次世代創薬技術「標的タンパク質分解」を加速
DCAFタンパク質群の相互作用ネットワークを解明

愛媛大学先端研究院プロテオサイエンスセンターの山中聡士特定助教、澤崎達也教授、徳島大学先端酵素学研究所の小迫英尊教授らの研究グループは、細胞内のタンパク質分解機構に関わるDCAF(DDB1- and CUL4-associated factor)ファミリーの機能を網羅的に解析し、各DCAFが関与するタンパク質相互作用ネットワーク(インタラクトーム)を体系的に明らかにしました。
本研究では、研究グループが開発した近接タンパク質標識技術「AirID」を用いた大規模プロテオミクス解析により、約60種類のDCAFタンパク質の周囲に存在するタンパク質群を細胞内で網羅的に同定しました。さらに、生化学的解析および細胞生物学的解析を統合することで、標的タンパク質分解薬の開発に適したDCAFを提案しました。本研究成果は、近年注目されている創薬戦略「標的タンパク質分解(Targeted Protein Degradation: TPD)」を加速するための研究基盤となるものであり、次世代創薬アプローチの可能性を大きく広げる成果です。
本研究成果は、2026年4月3日付で米国科学誌「Molecular Cell」に掲載されました。

研究成果のポイント

  • タンパク質分解創薬の鍵となるDCAFファミリーの網羅的機能解析を実施
  • 独自開発した近接タンパク質標識技術AirIDを用いた大規模プロテオミクス解析
  • 約60種類存在すると考えられるDCAFのタンパク質相互作用ネットワークを体系的に整理
  • タンパク質分解活性の高いDCAF群を抽出する解析フレームワークを構築
  • 次世代創薬技術「標的タンパク質分解(TPD)」の研究開発を加速する基盤研究

論文情報

タイトル:An interactome-based framework for DDB1- and CUL4-associated factor prioritization in targeted protein degradation
(和訳)標的タンパク質分解に向けたDDB1・CUL4関連因子(DCAF)の優先順位付けのためのインタラクトーム解析基盤
著者:山中聡士、長岡昂冶、庄屋祐希、西野耕平、三倉優美、田中賢志、小西慶亮、長谷川嘉則、土方敦司、小迫英尊、澤崎達也
共責任著者:山中聡士、小迫英尊、澤崎達也
掲載誌:Molecular Cell
掲載日:2026年4月3日(日本時間)
URL:https://doi.org/10.1016/j.molcel.2026.03.004

本件に関する問い合わせ先

愛媛大学先端研究院プロテオサイエンスセンター
山中 聡士