モザンビーク共和国の持続可能な発展とデジタル技術を活用した国際協力の推進を目的として、モザンビーク北部3州の州知事(ヴァリジ・タワボ氏[カーボ・デルガード州]、エドゥアルド・アブドゥラ氏[ナンプラ州]、エリナ・マセングエレ氏[ニアッサ州])および北部統合開発庁のジャシント・ロウレイロ長官が愛媛大学を訪問し、関連セミナーを開催しました。
本セミナーは、愛媛大学とモザンビーク、特にルリオ大学との17年にわたる学術連携の成果を踏まえ、デジタル技術を活用した持続可能な発展モデルについて多角的に議論する場となりました。
冒頭、仁科弘重学長は、長年にわたるモザンビークとの交流の歴史やルリオ大学との連携を通じた人材育成・共同研究の実績に触れ、今後もデジタル技術を活用した新たな価値創造と両地域の発展に期待を寄せる考えを述べました。
セミナーでは、まず愛媛大学の高橋寛副学長・デジタル情報人材育成機構長によるデジタル人材育成の重要性に関する講演が行われ、その後、ジャシント・ロウレイロ氏、ヴァリジ・タワボ氏、エドゥアルド・アブドゥラ氏、エリナ・マセングエレ氏の4人が登壇し、モザンビーク北部各州の現状や課題、豊富な天然資源や農業・観光などの地域ポテンシャル、さらには今後の持続可能な発展に向けた展望について発表しました。各州の強みや投資機会、地域住民の生活向上に向けた取組など、多様な視点から現地の実情が紹介されました。
続いてJICAモザンビーク事務所の大塚和哉所長によるJICAのデジタルイノベーション事業の解説、株式会社日本植物燃料の合田真代表取締役による現地でのフィンテック・アグリテック実践例、株式会社キャスタリアの山脇智志代表取締役によるアフリカにおけるインクルーシブ・ラーニングの展開事例など、多様な発表が行われました。
さらに、愛媛大学の小林修学長特別補佐・国際連携推進機構副機構長とルリオ大学健康科学部のフェルナンド・ベロニカ講師からは、愛媛大学とモザンビークの学術連携の具体的な取組や現地での人材育成・研究成果について紹介がありました。これらの講演を通じて、デジタル技術が現地の課題解決や人材育成に大きく貢献していることが示されました。
閉会にあたり、愛媛大学の光信一宏理事・副学長・国際連携推進機構長が、本セミナーを通じて両地域の協力関係が一層深まったこと、そしてデジタル技術による国際連携の可能性が広がったことを総括し、今後も持続可能な社会の実現に向けて連携を強化していく方針を示しました。
セミナー終了後には、愛媛大学学長主催の招宴が行われ、参加者はモザンビークからの来客者が持参したビデオを鑑賞しながら、和やかな雰囲気の中で交流を深めました。
愛媛大学は、今後も国際戦略拠点国であるモザンビークとの学術交流を基盤に、デジタル技術を活用した実践的な協力プロジェクトを展開し、積極的に推進していきます。




<国際連携推進機構>