令和7年7月15日(火)から18日(金)にかけて山形市で開催された第4回環境化学物質合同大会(第33回環境化学討論会・第29回日本環境毒性学会研究発表会合同大会)において、沿岸環境科学研究センター(CMES)化学汚染・毒性解析部門の環境毒性学研究室(岩田久人教授)に所属するDave Arthur Robledoさん(理工学研究科博士後期課程)が、英国王立化学会(Royal Society of Chemistry)賞を受賞しました。この賞は、大会で優れた発表をおこなった若手研究者や博士後期課程の大学院生に授与されるものです。
Robledoさんは、「QSAR model to predict the transactivation potencies of killer whale estrogen receptor alpha by environmental pollutants using artificial neural network(人工ニューラルネットワークを用いた環境汚染物質によるシャチのエストロゲン受容体αの転写活性化能を予測するQSARモデル)」というテーマでポスターおよび口頭発表をおこないました。
この研究では、シャチのエストロゲン受容体α(kwERα)を対象に、試験管内試験(in vitro)、計算化学(in silico)、および機械学習を含む新規アプローチ手法(NAMs)を総合的に適用し、化学物質曝露によるkwERαの種特異的活性化能を予測する定量的構造活性相関(QSAR)モデルの構築を試みました。その結果、人工ニューラルネットワークモデルを用いることで、化学物質曝露によるkwERαの種特異的活性化能を非常に高い精度で予測することに成功しました。
Robledoさんの発表は、研究の重要性が高く評価されたことに加え、質疑応答における的確な回答や優れたコミュニケーション能力が大会実行委員に認められ、今回の受賞となりました。


<沿岸環境科学研究センター>