!

重要なお知らせ

お知らせ

宇宙進化研究センター講演会「XRISM:X線で宇宙の風を観る」を開催しました【11月15日(土)】

令和7年11月15日(土)、愛媛大学先端研究院宇宙進化研究センターは埼玉大学・大学院理工学研究科の田代信(まこと)教授を講師にお招きし、講演会「XRISM:X線で宇宙の風を観る」を開催しました。会場の本学城北キャンパス コラボハウスホールには、幅広い年齢層の約80人の方々にご参加いただきました。
XRISM(クリズム)は、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が米国航空宇宙局(NASA)や欧州宇宙機関(ESA)の協力のもと進めている国際共同プロジェクトで、田代氏はその研究主宰者を務められています。

講演では、まずXRISMが得意とする、天体の運動によるX線のドップラー効果の測定について解説いただきました。動いている天体から放射されるX線などの電磁波のエネルギー(周波数)は、ドップラー効果によってもとの値からずれて観測されます。このずれを、クラシック曲「G線上のアリア」の音程の変化に置き換えて、直感的にもわかりやすく説明いただきました。

続いて、XRISMに搭載された新技術の検出器Resolve(リゾルブ)の仕組みや開発過程についてお話がありました。Resolveが性能を最大限に発揮するためには、検出器を0.05度(摂氏-273.1度)という極低温に保つ必要があり、その実現には愛媛県内企業による最先端技術が大きく貢献していることも紹介されました。

最後に、XRISM による最新の観測成果として、銀河団やブラックホールなどの観測から得られた新たな知見について解説いただきました。

本学では、今後も宇宙や天文学の研究について、地域・一般の皆様に分かりやすくご紹介する講演会を開催してまいります。

<宇宙進化研究センター>

XRISM(クリズム)プロジェクト研究主宰者・埼玉大学大学院
理工学研究科 田代 信教授